後攻の専大の先発はエース高橋陽一（経営２・静岡商高）。初回、１死からエラーとヒットで２・３塁にピンチを作るも落ち着いて後続を抑えてまずまずの立ち上がりを見せる。両チーム、ランナーを出すもなかなか得点につながらず０－０で迎えた４回。この回先頭の山岡大輝（経営３・常総学院高）が左前打で出塁すると、送りバントで２塁に進む。続く植田博貴（商２・広陵高）も右前打で出塁し、６番渥美利紀（法２・掛川西高）の打席で二盗を決めて１死２・３塁のチャンスを作る。ここで渥美がスクイズを仕掛け見事に成功。今季リーグ初めての先制点を奪う。一気に流れを引き寄せたいところだったが、その直後、５回表に１死から安打を許し、１点を返されて同 点にされて しまう。

　６・７回を高橋が三者凡退に抑えると、７回裏にこの回先頭の板谷雄太（文２・横浜隼人高）が死球で出塁し、送りバントで１死２塁となり１番牧康二（法３・宗像高）に打順がまわる。そして左中間を深々と破る二塁打で再び逆転に成功する。２－１で、この１点を守り抜きたいところであったが、８回表に先頭をエラーで出塁させてしまうと、その後高橋が制球に苦しむ。１死満塁のピンチを招くと、続く打者には左前打を許し２－２。再び同点に追いつかれてしまう。まだピンチが続く中、粘りを見せて後続を抑え最少失点で切り抜ける。

　春に続き延長戦にもつれ込むと思われたが、その裏にこの回先頭の吉田拓矢（商３・広陵高）が中前打で出塁すると、ここで代走に堂園昂平（法４・県岐阜商高）が入る。死球と送りバントで１死２・３塁のチャンスを作る。続く河口紀世仁（経営１・専大松戸高）が犠牲フライを放ち、堂園がタッチアップ。見事セーフになり、３－２と逆転する。９回は高橋が三者凡退に抑え試合終了。国士大戦の勢いそのままに１点差で勝ちぬき勝ち点２にリーチをかけた。高橋は１４７球６被安打関東で３勝目。エラーが出ても、ピンチを迎えても今のチームは全員で切り抜けようとする気持ちが全面に出ている。これが今の専大の強さの一つだ。この勢いのまま、流れを止めずに明日２タテし、勝ち点２をとってほしい。

▲エースの貫録が出てきた高橋

▲二塁打で調子を戻してきた牧

▲決勝犠牲フライを放つ河口

試合後選手インタビュー
海老原康彦監督
「接戦でベンチにいてハラハラしていた。チームの雰囲気も良くて、選手のことを信頼できるので特に指示は出していない。チームで戦うという気持ちが強く、春からの成長を感じる。それでもまだ、個々の技術向上などで課題もある。次期主将の山岡も主将の堂園がベンチ入りしていることがプラスになっている。開幕３連勝で雰囲気も個々の調子も良いから長いリーグ戦で今の状態をどれだけ維持できるかがポイント。明日も勝って２タテしてほしい」

堂園主将
「大きなミスもなく流れがきていた。３年生が中心になってチームを引っ張っていて、それに後輩がついていっているのが良い雰囲気につながっている。代走の場面では絶対に返ってやるという気持ちだった。明日の日大先発は山崎投手。勢いにのっているから守備から接戦にしていけたらつながると思う」

山岡次期主将
「開幕から３試合全て１点差を勝ち取っているのは大きい。チームも精神的に強くなっている。先制点を取れたのは良かったけど、その後が続かない。そこで大量得点にしたい。高橋は四球が多かった。まだ一人で投げている感じがあるから打たせて取るピッチングをしてほしい。明日も勝って２タテしたい」

牧選手
「（５回適時打について）打ったのは高めのストレート。思い切り振ろうとしていた。調子はまあまあ上がってきている。個人よりチームで勝ちたい、諦めない意識が強くなった。チームを引っ張る側として、当たり前のことをしっかりやって気の抜いたプレーはしないように心がけている。明日も２タテしたい」

高橋投手
「調子はそんなに悪くなかった。点を取った後に守備で球数が多くなってしまった。日大には春に負けていた分、絶対に勝ちたかった。相手の４番を抑えることができたのは大きかった。最初の打席でインコースは打てないとわかって、それからインコース攻めで狙い通り抑えることができた」

河口選手
「（決勝犠牲フライについて）前の打席でカーブがきていたから来た球を振ろうと思っていたけどカーブは狙っていた。先輩方が作ってくれたチャンスだったから決められて良かった。個人的に調子は悪いけど、一つ結果を出してチームに貢献できるようにしたい。明日も勝って勝ち点を取れるように自分のできることをしっかりしていきたい」