関東学生チームカップ 女子Aチームが準優勝



 第3回関東学生卓球チームカップが男女ともに10月23、24の両日、東京武道館にて行われた。この大会は、チームの登録メンバーの中から3人が各試合に出場。試合方法は、全てシングルス戦で行われ、*各5ゲームマッチを先に3勝したほうが勝者となる。23日は予選リーグを総当たり方式で戦い、各グループ(男子1??9組、女子1??7組)の1位が決勝トーナメントに進出。24日はそのトーナメントを決勝まで行う。今年は専大から、男子5チーム、女子4チームが出場した。
*例)Xチーム(A、B、Cの3人が出場)対Yチーム(D、E、Fの3人が出場)の場合
第1試合A-D
第2試合B-E
第3試合C-F
第4試合A-E
第5試合B-Dとなる。

グループリーグ結果(23日)
前回大会、徳増・森田・星野の現4年生3人組で挑み、専大男子Aチームは見事に優勝を果たした。今年はエース徳増信也が不参加、星野がBチームへ移動と陣容を大きく替えることとなったが、それでも実績のある松岡、この一年で力をつけた石井・江藤の2年生コンビと、充分に連覇を狙えるメンバーが揃っていた。しかし、1位しかトーナメントに進出できないグループリーグで、格下と見られていた明治大Cに1-3とまさかの黒星。結果、7組2位で早くも敗退となった。こうなると、残るB?"7Eの4チームに期待がかかったが、実力差のある1部所属校Aチームを相手に番狂わせを起こすことはできず、初日にして専大男子チームは大会を後にすることとなった。
一方の女子。昨年は決勝トーナメントにA、Dと2チームが進出を果たしたが、共に1回戦で敗退となっている。今年はそれ以上の結果を期待したいところ。今年のAチームは、エースの高、今や準エース格の2年生天野、そして将来チームを背負っていくだろうスーパールーキー原の3人と、前回に勝るとも劣らない顔ぶれとなった。そのAチームは予選リーグ3組に出場し、格下3チームにその力を遺憾なく発揮。中央大B相手に1ゲーム落とし3-1としたものの、ほかの2試合ではきっちりとストレート勝ちを収め、決勝トーナメントへと駒を進めた。しかしながら、4年生が欠場となった今大会は、その他3チームもそれぞれ1勝ずつを挙げる健闘を見せたが、格上を崩すまでには至らず予選敗退となってしまった。
よって、翌24日の決勝トーナメント出場は、男女合わせ女子Aの1チームとなった。

予選結果詳細は以下の通り。
男子
Aチーム(森田翔樹・松岡新也・石井匠・江藤遼):7組=2位(2勝1敗)
[1-3明治大C、3-0日本大C、3-0大正大E]
Bチーム(星野和洋・橋本明・佐藤慧・田中健奨):5組=3位(1勝2敗)
[1-3日本大A、1-3明治大D、3-0法政大C]
Cチーム(原慶光・古川晋輔・川島勇樹・西尚吾):6組=2位(2勝1敗)
[1-3 中央大A、3-0駒沢大B、3-1明治大E]
Dチーム(川岸健弥・磯谷雄磨・鈴木誠・西森大輔):3組=3位(1勝2敗)
[0-3筑波大A、2-3中央大B、3-0大正大D]
Eチーム(加藤充生樹・小原強太・竹原誠志・福田和央)9組=4位(0勝3敗)
[0-3早稲田大A、1-3大正大B、2-3慶応義塾大A]
女子
Aチーム(高瑜瑶・天野友未・原ちひろ):3組=1位(3勝0敗) 決勝トーナメント進出
[3-1中央大B、3-0青学大B、3-0日体大B]
Bチーム(榊原恵・樽見早由利・楠原憧子):5組=2位(1勝1敗)
[1-3淑徳大、3-0早稲田大C]
Cチーム(桑原真帆花・森藤みなみ・渡辺薫):7組=3位(1勝2敗)
[0-3早稲田大A、1-3日本大A、3-0大正大D]
Dチーム(関向優・竹之内美希・森下美葉)1組=3位(1勝2敗)
[0―3東富士大A、3―1日本大B、0-3大正大C]


決勝トーナメント(24日)
1回戦
相手は9月の関東秋季リーグ戦で3位(専大は5位)の強豪・大正大学のAチーム。そのリーグ戦での対決はフルゲームの末敗れており、専大としては雪辱を果たしたいところ。今大会も息詰まる接戦が予想された。しかしながら、試合は意外な展開に。1番手、専大は原を起用。対する大正大は加藤。ともに先日行われた全日本学生選手権(全日学)ではベスト32で、実力は拮抗している。試合は勝負強さが命運を分けた。リーグ戦での経験が生きたのか、第1、第2ゲームと2点差の接戦を原が制す。第3こそ反撃に合い落とすが、その次のゲームを同スコアで奪い返し勝負あり。3-1で原に軍配が上がった。
2試合目、専大は現学生王者であるエースの高。確実にものにしたいところ。しかし、対する笠原も1年生ながらリーグ戦で優秀選手賞に選ばれるなど、いまや大正のエースといっても過言でない選手である。普段、序盤はなかなか調子の出ない高だったが、この試合は違った。第1ゲーム、終始リードし危なげなくものにすると、第2ゲームも同じような展開で制した。このままストレート勝ちといきたいところだったが、笠原もこのままでは終わらなかった。5-5の状況から4連続ポイントで高を引き離すと、そのまま押し切り1ゲームを取り返す。流れが傾きそうなところだが、高は落ち着いていた。臆病になりそうな展開だが、序盤から積極的に仕掛けポイントを奪取。経験差を見せつけ第4ゲームを制し3-1の勝利。専大
は連勝で大手をかけた。
3番手、大正大は西。対して専大は全日学で早々に敗退するなど、このところ調子の出ない天野。しかし、そこにはいつものプレーが戻っていた。第1のヂュースを逆転で制すると、その勢いのまま続くゲームも奪い取る。次の接戦こそ落としたが、ミスの少ないこの日の天野が、悪い流れを止めるのは容易なことだった。またしても3-1の勝利。ゲームカウント3-0のストレート勝ちという、あまり予想しなかった結果で早々に決着。見事に借りを返すかたちとなった。

結果詳細
専修大A 3-0 大正大A
原 ちひろ 3(11-9、14-12、6-11、11-6)1 加藤 亜理紗
高 瑜瑶  3(11-8、11-7、8-11、11-7)1 笠原 多加恵
天野 友未 3(13-11、11-8、9-11、11-8)1 西 明美


▲原 ちひろ


準決勝
相手は前回、前々回とこの大会が始まって以来2連覇中の東京富士大A。また、東富士大は秋季リーグでも2位と好成績を残しており、勢いもある。そんな王者を打倒できるか。
1番手、専大は先手必勝とばかりに高をもってきた。対する、東富士大は伊積。今年の関東新人戦の覇者である。第1ゲーム、高の調子がなかなか上がらない。ミスが重なり、3-8と終盤まで大差をつけられる厳しい展開。しかし、ここで目覚めた。怒涛の6連続ポイントで一気に逆転すると、最後は力で押し切った。こうなると、もう止まらない。続く第2、第3ゲームは格の違いを見せつけストレート勝ち。専大は、思惑通り幸先の良いスタートを切った。
2番手、東富士大はエース・?碍を繰り出した。今年の関東学生選手権(関学)3位の実力者である。専大は原を起用。実は、その関学で原は?碍に敗れて大会を終えた。あれから急速に力をつけてきた原。その成長ぶりを見せられるか。試合は、またも原の勝負強さが光った。先に主導権を握ったのは?碍だった。しかしながら、原は終盤驚異の追い上げを見せる。第1ゲームは大手をかけられながら3点差を追いつきヂュースで逆転勝利すれば、第2ゲームも7-9とされたところから4連続ポイントでゲームを連取。恐るべき精神力でリーチをかけた。しかしこのままうまくはいかなかった。第3、第4ゲームも同じような展開だったが、序盤からのビハインドを返せず、相手に取り返されてしまう。2-2。勝負は最終第5ゲームへ。
ここを分けたのも勝負強さだった。互いの一進一退の攻防は終盤まで続き、9-9。ヂュースまでもつれ込むかと思われたが、原は強気の卓球で相手のミスを誘い2連続ポイント。3-2で関学の雪辱を見事に果たした。
3試合目、専大は天野。東富士大は全日学ベスト16の池田を出してきた。第1ゲーム、試合はいきなりヂュースへ。これを1回戦の勢いそのままに天野が制す。しかし、天野は徐々にミスが目立つようになり、ここから流れは池田に傾いてしまった。第2、第3と奪われ、逆転を許すと、第4ゲームでは逆にヂュースを制され、万事休す。ゲームカウントを2-1とされた。
ここで決めたい第4試合、専大は再び高に出番が回ってきた。相手は?碍。エース対決、留学生対決。結果はいかに。1ゲーム目またしても高はスロースタート。リードを許したまま終盤になったが、またしても追い込まれて調子が出てきた。7-9からフォアが要所で決まり、4連続ポイント。逆転で先にゲームを奪った。この接戦が続くかに見えたが、試合は一方的になった。高の力強くコースに打ち分けられた打球に?碍はミスを連発。第2、第3を一方的な展開で高が制し、東富士大との勝負に幕引き。ゲームカウント3-1でディフェンディングチャンピオン相手に見事な快勝劇を演じた。

結果詳細
東京富士大A 1-3 専修大A
伊積 ひかり 0(9-11、6-11、6-11)3 高 瑜瑶
?37 ?9g 2(10-12、9-11、11-5、11-4、9-11)3 原 ちひろ
池田 好美 3(11-13、11-8、11-6、12-10)1 天野 友未
?37 ?9g 0(9-11、5-11、6-11)3 高 瑜瑶

▲高 瑜瑶


決勝
ついに迎えた決勝の相手は、早稲田大学A。淑徳大の有力選手たちが参加していない今大会、戦力的に見れば全チーム中NO1と思われるため、順当な流れともいえる。最強の相手を下し、チャンピオンの座に就くことはできるか。
1番手、専大はまたも高を起用した。相手早稲田は全日学ベスト16の中島。肩書き的には高に劣るものの、試合は中島のペースで進んでいった。第1ゲーム、連戦の疲れから動きの重い高に対し、中島はコースを突く卓球を披露。先にゲームを奪った。第2ゲームも、中島のペースは続く。高は焦りからか、珍しいサーブミスも見られるなど精彩を欠き、続けてゲームを落としてしまった。後がない第3ゲーム、高は我武者羅に攻めた。サーブも普段の回転を強くかけるショートサーブではなく、強打する深いサーブを使用。これが機能した。中島はレシーブを浮かせるようになり、そこを高が強打。1ゲームを奪い返す。しかし、この作戦は長く持たなかった。第4ゲーム、徐々に慣れ始めた中島の打球に対し、高はバックハンドが
入らない。結局5点差をつけられ敗戦。高は公式戦、6月下旬の関学決勝以来の黒星となった。
先手を奪われた専大、2試合目は原。早大はここで、先日の全日学で王者に輝いた照井を起用してきた。福原が休学中の今年、早大を引っ張るエースである。しかしながら、団体戦おいては、秋季リーグでは2勝5敗と結果が出ておらず、付け入る隙はある。1ゲーム目、案の定原がペースを握った。照井は調子が上がらないのかイージーミスを連発。追い上げを見せられたが、序盤の大量リードを守りきった。しかし、ここから女王の逆襲が始まってしまった。コースを使い始めた照井は逆に原を翻弄。2ゲーム目をなんと3-11とされると、続く3,4ゲーム目は中盤まで競り合いながらも、要所で連続ポイントを決められた。結局1-3。善戦を見せたが、破れるかたちとなった。
これで後がなくなった専大。もちろん3番手は天野。対するは全日学ベスト16、学生屈指のカットマン(ウーマン?)亀崎。1ゲーム目、カットを続けミスを誘う亀崎に対し、天野は強行姿勢。これが功を奏す。この試合の天野はフォアハンドが冴え、ドライブ、スマッシュともに要所で決まった。パワーのある打球に亀崎は返しきれず、第1ゲームを先取する。第2ゲームは一進一退。天野の調子は変わらないが、亀崎がことごとく粘る。結局、ヂュースにもつれ込んだ展開は、若干亀崎のカットが若干上回り、試合は振り出しに戻った。その後、1ゲームずつを分け合い、迎えた第5ゲーム。前のゲームを奪われながらも、立て直した天野が輝いた。カットに対し、今度は待ちの姿勢。流れを見極めて要所で強打するという作戦が
決まり、8-1と大きく突き放す。そこから4点を返されたものの、そのままリードを守りきった天野。3-2で勝利し、専大を窮地から救った。
4試合目は、エース対決となった。高対照井。全日本選抜王者対全日本学生王者。くしくも同じ学年、同じ出身校である。この2人は、秋季リーグでも対決しており、そのときは3-1で高が勝利している。今回もその再現といきたいところ。第1ゲーム。またしても高はスロースタート。ペースを終始照井に握られそのゲームを落とした。それでも徐々に調子の出てきた高。第2ゲームは中盤までリードを奪う。しかし、ミスから8-9と一気に逆転されてしまった。だが、ここで意地を見せた。帳消しにするスマッシュを連続で決め再逆転。なんとか大手を阻止した。第3も中盤まで5-8とリードを許していた。だがここで、ようやくエンジンがかかった。怒涛の5連続ポイントで逆転すると、最後は強打で押し切り、先に大手を
かける。迎えた第4ゲーム、またも勝負強さが命運を分けた。互いに奪い合う展開で7-7としたが、ここでまたも高が連続ポイント。一方の照井も巻き返しを図ったが、一歩及ばず11-9。3-1と本調子でないながら、脅威の粘りで高は勝利を果たした。
2-2となり、これで決まる第5試合。専大は原、早稲田は中島。将来のエース候補である1年生対決である。先手は原が取った。まだ調子の上がらない中島の立ち上がりを一気に攻め、11-4と大差をつけての先取点。しかし、調子が上がってきた中島はコースをついた卓球で原を揺さぶり2ゲーム目を奪い返す。第3ゲームも中島ペース。ここにきて目立ってきた原のミスも手伝い、2-9と大量リードで終盤へ。だが、このまま原も終わらない。ここから驚異的粘りを見せ、6連続ポイントで1点差。それでもこのゲーム、あと少し及ばず中島に軍配が上がった。専大としては後がなくなった第4ゲーム。取りつ取られつの攻防は終盤まで続く。しかし、流れはやはり中島にあった。最後の最後で2連続ポイントを許し万事休す
。ゲームカウント1-3、トータルスコア2-3で早稲田Aの優勝、専大Aの準優勝が決定した。

結果詳細
専修大A 2-3 早稲田大A
高 瑜瑶    1(6-11、8-11、11-9、6-11)3 中島 未早希
原 ちひろ 1(11-7、3-11、8-11、7-11)3 照井 萌美
天野 友未 3(11-9、11-13、11-6、5-11、11-5)2 亀崎 遥
高 瑜瑶 3(7-11、11-9、11-8、11-9)1 照井 萌美
原 ちひろ 1(11-4、8-11、8-11、9-11)3 中島 未早希


▲天野 友未


コメント
高 瑜瑶
「この大会は3人の力を合わせて戦うため、団体戦みたいで楽しかった。去年、一昨年とグル―プリーグで敗退していたので、結果に満足はしている。決勝は連戦の疲れで、体が動かなかった。個人的に、この大会は11月の全日本学生選抜選手権を想定して挑んだ。そこでは優勝できるよう頑張りたい」


▲チームワークの良さが結果に繋がったに違いない



(馬場雄也・ネット情報3)



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