関東学生秋季リーグ 最終日



9月29日、大会最終日。7日間にわたる激戦に終止符が打たれる。
男子は14時30分から筑波大学と、女子は10時30分から大正大学と対戦した。

 先に行われた女子の試合。対戦相手大正大は現在4勝2敗。ここまで3勝3敗の専大女子は勝ち数で負けているが、この試合に勝てばゲーム数の計算により、3位でこの大会を終えることができる。是非ともAクラス入りをしたいところ。
 第一試合、前日最後の試合でフルゲームにもつれ込みながらも制し、専大を勝利に導いた天野ががいきなり登場。相手笠原は春の優秀選手賞&最優秀新人賞プレーヤー。1年生ながらその力はエース級である。第1ゲーム、その笠原に3-11と大差で取られてしまう。このまま行きそうな流れだが、天野は持ち直した。すぐさま11-8と取り返す。その後互いに譲らず1ゲームずつ分け合い、勝負は最終ゲームへ。主導権は笠原。中盤まで2点リードで進んでいった。天野にはここからの逆転が期待されたが、逆に乱れてしまった。結局6-11と大差がつき、2-3と昨日とは逆に敗れる形となった。落としたくない2番手、専大は高を投入。ここまで6戦全勝。勝って全勝、そして個人賞獲得を確実にできるか。相手は4年の小山内。第1ゲーム、高の悪いところが出てしまった。立ち上がり、いきなり3連続ポイントを許すと、徐々に持ち直すものの、要所でミスを犯し、格下といえる相手にいきなり先手を許す。しかし、ここからもいつも通りだった。第2ゲーム、フォアが冴えを見せ11-6で制すると、その後も11-2、11-5と圧勝。結果的には3-1の完勝で、見事今季リーグを全勝で締めくくった。続くはダブルス戦。天野・樽見組は第1ゲーム、7-3と盤石の展開で進めていた。しかし、突如乱れた。せめてはことごとくネットにかかり、逆に相手の強打は厳しいところに決まる。結局9-11と逆転で落としてしまう。いやな流れ、しかしここまで戦ってきた経験が二人を立て直した。第2を11-8の接戦で取り返すと、第3、第4は逆に相手にミスが目立った。天野、樽見ともにフォアが決まりだし、怒涛の3連続ゲーム奪取。トータル2-1と大正大からリードを奪った。いい流れで4番手。専大はここで主将小林を起用。これがリーグ戦初めての出場となった。しかしながら小林は、昨年の会長杯でシングルス優勝を飾っており、実力はかなりのもの。だが、対する村山は今年の関学ベスト8の強敵。はたして、初勝利ともなるか。第1ゲーム、初めての出場となった小林は、そうとは見えない安定したプレーを披露。さすがは主将である。ゲームはいきなりヂュースへ突入すると、2度にわたり大手を掛けた。しかし、さすがに難敵である。最後のところで粘られ、逆に大手を掛けられると最後はスマッシュを決められた。続く第2ゲームも接戦。取りつ取られつを繰り返すシーソーゲームは再びヂュースへ。ところが、これをまたも村山に制さ
れた。0-2。あとがなくなってしまった。しかし続く第3ゲームは小林が主導権。序盤からのリードを徐々に増やし11-6で奪取。小林はこれが初のゲームポイント。逆転が見えてきた第4ゲームは、またも中盤までシーソーゲームだった。だが5-5から小林にミスが出始めると、流れは一気に相手へ。なんとここから6連続ポイントを喫し、万事休す。勝利することはできなかった。それでも、最初で最後のリーグ戦で健闘を見せた主将を、メンバーは笑顔で迎えていた。

▼小林春菜


 第5試合はまたもダブルス戦である。専大はいつも通り榊原・原組を送りだした。しかし、この日の二人は明らかに良くなかった。競った試合を繰り広げていたが、要所でのミス。同じような展開は結局3つ続き、0-3のストレート負けを喫することとなった。これで2-3。専大は一転して窮地に追い込まれた。第6試合、相手はここでエース井上を起用してきた。今年こそ結果は出ていないが、昨年の全日本学生選手権でベスト16入りを果たすなど、その実績は全関東大学選手の中でもかなりのもの。この強敵に挑んだのは、1年の原だった。
 一見すると、絶望的に見えるこの展開。しかし、終始主導権を握ったのは原だった。ここまで専大の幾多の危機を救ってきた彼女は、井上あいてにもその力を発揮。終始リードを奪った第1ゲームを制すと、第2、第3は接戦の中、まるでベテランのような安定したプレー。11-9、12-10と相手を振り切り、なんと相手エース相手にストレート勝ち。この大会を通して、原の成長ぶりは目を見張るものがあった。前日、前々日に引き続き、3日連続の最終第7試合。それは現在の関東勢力の均衡を表している。専大樽見、大正大加藤。まずは樽見が先取。相手の立ち上がりを攻めると11-3の大差で制した。だが第2は加藤。今度は逆に樽見にミスが出ると、そのまま流れをつかんだ。このあと同じ展開が続いた。  第3を樽見、第4を加藤がそれぞれゲット。いよいよ本当のラスト。最終日、最終試合、最終ゲーム。この勝ちがすべてを決める。先に加藤が2連続ポイントでリードを奪った。だがここで樽見の反撃。4連続ポイントで一気に逆転。勝利に近づいた。しかし、樽見がここから乱れた。なんとここから逆に4連続ポイントを許すと、一点取り返して、今度は5連続ポイントを奪われた。5-11の敗戦。つまりは、専大の敗戦。3連続のフルゲーム勝利とはいかなかった。

 相手は春季リーグ4位の筑波大学。同大学の一部昇格から2勝1敗と勝ち越しているため安定した試合を期待したが、1番手佐藤慧(2・上宮高)が1セット目にミスが目立ち、大量得点を許す。2セット目で5vs10から一気に同点まで持ち込む奮闘を見せるが、力及ばず1-3で敗戦。いきなり苦しい展開で2番手、エース徳増信弥が登場。相手神山の強烈なスマッシュも確実に返し、3-0のストレート勝ち、この勝利によって徳増は秋季リーグシングルス全勝の快挙を果たす。3番手森田翔樹(4・青森山田高)も安定した試合運びで3-0のストレート勝ちを収め、専大は2ゲームを取る。次に出てきたのが今リーグ4勝を収めている徳増・江藤遼(2・明豊高)ペア。このまま流れに乗りたいところだったが相手の破壊力のあるボールに圧倒される。2セット目からダブルスも崩壊し、ミスを連発、簡単な球も逃してしまうなど調子のよかった同ペアらしからぬゲーム展開を繰り返し、0-3で大敗してしまう。4セット目は相手山田が乱調、失策を繰り返す。その機を見逃さず石井匠(2・東山高)が果敢に攻めたてストレート勝ち。3-2とリードしたが、続く6,7番手の田中健奨(1・滝川第二高)、江藤遼が敗北。3-4で最終戦を白星で終わることができなかった。


試合詳細

専修大学 3 - 4  筑波大学
佐藤慧 1 (7-11,13-15,11-3,8-11) 3  高木和法
徳増信弥 3 (11-9,11-6,11-8) 0  神山峻
森田翔樹 3 (11-9,11-7,11-7) 0  大森善文
徳増信弥/江藤遼 0 (10-12,2-11,6-11) 3  桑原元希/高木和法
石井匠 3 (11-2,11-7,11-9) 0  山田斉
田中健奨 1 (10-12,7-11,11-5,6-11) 3  田代祐大
江藤遼 0 (8-11,6-11,8-11) 3  桑原元希

大正大学 4 - 3  専修大学
笠原多加恵 3 (11-3,8-11,11-7,9-11,11-6) 2  天野友未
小山内里紗 1 (11-9,6-11,2-11,5-11) 3  高瑜瑶
藤田佳奈子/大田千晴  1 (11-9,8-11,5-11,6-11) 3  天野友未/樽見早由利
村山真実 3 (15-13,13-11,5-11,11-5) 1  小林春菜
村山真実/加藤亜理沙 3 (11-8,11-9,11-6) 0  榊原恵/原ちひろ
井上朋美 0 (7-11,9-11,10-12) 3  原ちひろ
加藤亜理沙 3 (3-11,11-7,5-11,11-8,11-6) 2  樽見早由利


順位表

男子1部     早稲田 明治 専修  筑波  駒澤 埼工  中央 日本  勝敗 順位
早稲田大学         3-4 4-1  4-0  4-1  4-2  4-0  4-0 6勝1敗 2位
明治大学     4-3       4-1  4-0  4-1  4-1  4-3  4-0 7勝0敗 1位
専修大学     1-4  1-4       3-4  4-2  4-2  4-0  4-1 4勝3敗 3位
筑波大学     0-4  0-4  4-3       4-1  0-4  0-4  4-3 3勝4敗 6位
駒澤大学     1-4  1-4  2-4  1-4       0-4  2-4  0-4 0勝7敗 8位
埼玉工業大学  2-4  1-4  2-4  4-0  4-0       3-4  4-1 3勝4敗 5位
中央大学     0-4  3-4  0-4  4-0  4-2  4-3       2-4 3勝4敗 4位
日本大学     0-4  0-4  1-4  3-4  4-0  1-4  4-2      2勝5敗 7位

女子1部      淑徳 早稲田 日体 東富  大正  専修 中央 日本  勝敗 順位
淑徳大学           4-3  4-1  4-0  4-0  4-1  4-2 4-1  7勝0敗 1位
早稲田大学    3-4       4-0  3-4  2-4  4-3  4-2 4-3  4勝3敗 4位
日本体育大学  1-4  0-4       4-2  1-4  3-4  0-4 4-3  2勝5敗 7位
東京富士大学  0-4  4-3  2-4       4-0  4-2  4-2 4-1  5勝2敗 2位
大正大学      0-4  4-2  4-1  0-4       4-3  4-0 4-2  5勝2敗 3位
専修大学      1-4  3-4  4-3  2-4  3-4       4-3 4-1  3勝4敗 5位
中央大学      2-4  2-4  4-0  2-4  0-4  3-4      4-1  2勝5敗 6位
日本大学      1-4  3-4  3-4  1-4  2-4  1-4  1-4      0勝7敗 8位

最終成績
男子:3位(4勝3敗)
▼大会を終えての男子チーム

女子:5位(3勝4敗)
優秀選手賞:徳増信弥(今リーグ戦績7勝0敗)、高瑜瑶(今リーグ戦績:7勝0敗)
敢闘賞:高瑜瑶
また4年間の戦績により、徳増信弥が特別賞を受賞した。


インタビュー

男子主将 加藤充生樹
―3位という結果について
「優勝を狙っていたし、私たち4年からしたら最後の試合だったので悔しいです」
―明大・早大の壁は厚かった?
「そうですね。自分が入学してから早稲田には一度も勝てませんでしたし、明治にも1勝しただけなので・・・」
―しかし、明大・早大に次ぐ3位で終われたのは成長の表れでは?
「そうですね。今回は徳増、森田、星野と最上級生が頑張ってくれました」
―徳増・江藤の新ダブルスはどうでした?
「今まではダブルスで負けて試合に負けるという展開が多かったんですが、今回は4勝3敗と勝ち越してくれたのでよかったと思います」
―4年生にとっては最後の試合だったが
「今試合を終えて、もっと練習しておけばよかったと自分は思っています。それなので後輩たちには悔いのないような試合をしてほしいです」

女子主将 小林春菜
―結果について
「全員で力合わせて、前回よりも一つ上に上がれたので、次はもう1段2段3段と上にあがってほしいと思います」
―接戦が今大会も多かったが、春季よりは勝ちにもっていけました
「前よりは前向きに頑張れるようになったので、あとは技術の向上をしていきたいと思います」
―最初3連敗で焦りはあった?
「だいぶ焦りました(笑)。でも、最初強いところと当たっていたので。後半はしっかりいい流れで持って行けたので良かった」
―来季のメンバーに向けて
「試合は精神面で動くことが多いので、もっと前向きに力を出せるように頑張ってほしい」
―では今日は選手として、試合はどうでしたか?
「いやダメでした(笑)。ヂュースまで持ち込めたが、勝てなかったので。もう引退でなので、個人戦で頑張りたいと思います。すぐに全日本学生選手権(10月8?"711日・横浜)もあるので」

徳増信弥選手 
―ダブルスについて
「まあまあ良かったと思います。春はなかなか勝てなかったので」
―今大会での自身の調子は
「今回全勝しましたが、エース格にはほとんど当たらなかったので、エースと戦いたかったという気持ちはあります」
―最後の団体戦となったが
「優勝を狙っていたのでとても悔しいです」
これからの卓球部に一言
「僕たちが成し遂げられなかった優勝を、後輩たちに勝ち取ってもらいたいです」

高瑜瑶選手
―今大会での調子について
「いままでは調子に波があったのですが、今回は安定した試合運びができたと思っています」
―優秀選手賞・敢闘賞受賞について
「チームみんながとても頑張ってくれました。私も助けてもらったと思います。それなので今回は自分だけではなく、みんなで勝ち取った賞だと思います」

(馬場雄也・ネット情報3、山口高弘・商2、伊藤和希・経営1)



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