関東学生秋季リーグ5日目



土日開けて、9月21日は大会5日目。
男子は埼玉工業大学と、女子は日本体育大学とそれぞれ12時から対戦した。

秋季5位6位の埼玉工業大学を迎えた男子。相手部員は全大学中最多で、応援の盛り上がり方は異常なほど。彼らはその声援を背に、力以上のものを発揮してくる。専大男子は、雰囲気にのまれることなく、確実に勝ち星を拾えるか。
 トップバッター、専大は石井を起用。春季、インカレと勝ち頭に成長したが、迎えた秋季リーグ、ここまで2戦2敗と調子を落としている。徳増らが抜ける来期以降、軸として期待されるため、このあたりで悪い流れを断ち切りたいところ。しかし、この日も本来の石井ではなかった。第1ゲーム、先に大手をかけながら、追いつかれヂュースへ。すると、そののまま2ポイント連取され、先にゲームを奪われてしまう。流れは相手の伴へ傾いてしまった。石井はミスを連発。特にフォアは、ことごとくネットにかかってしまった。結局、最後まで修正することはできず、第2、第3を5-11、6-11の大差で敗れ、ストレート負け。試合後、しゃがみ込む石井の姿からは、自分の出来への悔しさが伝わってきた。2番手、埼工大はエースの胡を出してきた。今年度は関東学生選手権(関学)では、組み合わせの悪さからベスト16入りすら果たしていないが、昨年の関学ではベスト4。その実力は本物である。専大は本来なら徳増が予想されるが、相性を考えたか、カットマン・星野を持ってきた。第1ゲーム序盤、いつも通りカットを繰り返し、ミスを誘発させようとする星野だったが、胡のあまりのパワーのフォアに、返しきれずにいた。試合は胡ペースで進んでいった。しかし終盤、粘りの4連続ポイントで追いつきヂュースへ持ち込むと、そのまま逆転。先にゲームを奪ったのは星野だった。その流れで行きたいところだったが、さすがに相手エース。しっかりと持ち直し、そこから2ゲームを連取。瞬く間に大手を掛けられてしまった。だが、星野もこのまま終わらない。第4ゲーム、カットだけでなく、隙あればスマッシュで攻める戦い振りで、11-4と圧勝。勝負を最終ゲームへ持ち込む。しかし、胡はまたも持ち直した。逆に星野はミスを連発。4点しか奪えず、敗戦。埼工大に2連勝を許す、最悪のスタートとなってしなった。第3試合、ここでエース徳増の登場。相手は星野と同じ、カットマンの平屋。序盤、そのプレースタイルに苦戦した。徳増はしつこいカットにしびれを切らしたかミスが目立ち、リードを許してゲームは進んだ。結果、第1ゲームこそヂュースの末なんとか奪ったが、第2は取り返され1-1。思わぬ苦戦を強いられた。しかし、エースはこの日も立て直した。フォアの感覚をつかんだのか、確実に勝つ強烈なスマッシュを連発。そこからは常にリードを奪い圧倒した。終わってみれば3-1と危なげない試合で、今秋季リーグ5連勝。個人賞が見えてきた。続く第4試合はダブルス。そのまま徳増は残り、いつも通り江藤と組む。いまやすっかり専大の武器であるこのペア。この日もしっかりと勝ち星を稼いでくれた。相手小野、小笠原ペアをコンビネーションで翻弄。途中リズムを崩し1ゲームこそ奪われたが、終始主導権を握り、3-1と完勝。試合を振り出しに戻した。5試合目、専大は今大会好調の森田を起用。対する埼工大は1年生藤田。この試合あっという間に決着がついた。勝者は森田。攻めの姿勢はこの日も顕在。明大戦では決定打に欠き敗れたが、この日は見事に改善。追いすがる相手を振り払い、最後は11-3の大勝でストレート勝ち。3-2、専大2連敗のあと3連勝でついに大手。6番手は江藤。今大会はそのメンタル面の強さから終盤起用が多いため、シングルスは2試合目。ダブルスでは好調が見られるが、はたして個人戦ではどうか。対する相手山木は今年の関東新人戦ベスト8の有望株。試合は2-11という驚きの点差でスタート。江藤はカットマンでありながら、フォアを多用する平木のプレースタイルに翻弄された。それでも、すぐにコツをつかんだのか、第2ゲームからは競った試合に第2、第3とヂュースに突入し、それぞれ1ゲームずつを分け合った。ゲーム数的には追い込まれた江藤。しかし、彼はやはり追い込まれてからが強かった。後がないにもかかわらず攻めの姿勢を崩さない。ミスはするが、それ以上にあいてコートに鋭い打球を突き刺す。ネットスレスレの弾道は、いくらカットマンといえど、返すことは不可能。平木は途中尻もちさえつかされていた。2ゲーム連取。3-2で逆転勝利を飾った。

▼江藤遼

この結果、トータルカウント4-2。専大の勝利が決まった。

一方の女子、ここまで未だ1勝と、このままでは入れ替え戦の危機さえある。なんとか勝ち星を増やし、降格争いから抜け出したいところ。相手も同じく、ここまで1勝の日本体育大学。絶対に負けるわけにはいかない。インカレで破っている相手だけに、今回もその再現といきたい。
 初戦、なんと日体大はいきなりツインエースの一人、西岡を起用してきた。対する専大は天野。しかし彼女も今や専大の2番手と言っても過言ではない。好勝負が期待された。しかし、試合は一方的なストレート勝ちなった。勝者は西岡。内容を見れば、そこまでの大差ではなかった。決め手は勝負強さ。3ゲームすべて、途中まではシーソーゲーム。むしろペースは天野が握っていたが、4年生で経験豊富な西岡は終盤に粘り強さを発揮。それに天野はミスを連発するかたちとなった。男子と同じく黒星スタート。だが、今度は専大が仕掛ける番。2人目はもちろん絶対的エース・高である。勝利は堅いと思われた。ところが、厳しいスタートとなった。このところ、立ち上がりにやや難のあった高はこの日もつまづく。
 第1ゲーム、相手はリーグ戦未だ1勝しかしていない大熊だったが、ミスから1-5と引き離される。高はレシーブが決まらず、またバックで応戦するものの力に押されていた。結局、追い上げを見せたが9-11でまさかのあいてゲームに。高は苦い表情。自分を今一度戒めているように見えた。その結果、高は立ち直りに成功した。第2ゲーム、得意のフォアで自分のペースに持ち込み、わずか2点しか与えずイーブンに戻すと、そのまま第3も制す。圧巻は第4ゲーム。フォアにバックに冴えを見せた高は、大熊にわずか1点しか取らせなかった。3-1、徳増同様に今リーグ5連勝。その姿には貫禄が備わっている。第3試合ダブルス戦。天野・樽見組の登場。対する日体は津田・西岡ペア。試合は接戦となった。第1ゲームを9-11で奪われたが、すぐさま11-9と同スコアで取り返す。
 続くゲームも11-9で奪った専大ペアだったが、またも風向きは変わり、ゲームは日体大へカウント。勝負の行方は第5ゲームへ。迎えたそのゲームは天野・樽見が主導権に風が吹いた。常にリードをキープした二人は、安定した試合運びでそのまま勝利。幾度の接戦に決着をつけた。2-1。リードを奪った専大はこのまま押し切りたいところだったが、ここで日体大はもう一人のエース李を投入。追いすがろうとしてきた。それに対し専大が送りだしたのは楠原。初勝利を挙げた4日目の勢いそのままに、金星を奪えるか。下馬評では李がどう見ても有利。実際そのとおりに試合は進んだ。関学ベスト8の力の前に楠原は常に先手を奪い善戦を見せるも、終盤に逆転されるというかたちが続き、2ゲームを連取されてしまった。
 しかし第3ゲーム、楠原が輝いた。またも先取点を奪った楠原。今回はそのリードを最後まで守った。得意のサーブはミスもあるものの、決まれば逆に李のミスを誘った。また、コースをついたフォアも見事に決まっていた。だが、第4試合はまたも前の流れに。9点の時点までリードしていた楠原だが、あと2点が決まらない。そこから3連続ポイントで逆転を許すと、そのまま力で押し切られた。試合には敗れたが、楠原の成長ぶりには驚かされた。李相手にここまでやれるとは、きっと近い将来、勝ち頭に成長することだろう。話を戻して第5試合。ダブルス榊原・原ペア。対戦相手大熊・須磨組は関学ベスト8の強敵である。しかし、試合は専大ペアが主導権。第1、第2と常にリードを保ち連取する。シーソーゲームとなった第3ゲームは相手に奪われ、2-1で迎えた第4ゲーム中盤、榊原・原組は5-0でリードし、試合は決まったかのように見られた。
 だが、そこから乱れた。ジリジリと迫る点差はついに8-8と同点に。イヤな流れ。しかし、原が一本のスマッシュで断ち切った。結局そこから3連続ポイント。3-1でこの試合、ダブルス両方を勝利することとなった。大手を掛けた専大。できることなら、フルゲームの緊張を味わうことなく次で決めたい。6試合目は樽見対須磨。須磨は今年の関学新人ベスト4であるが、一方の樽見も昨年の関学新人ベスト4だった。新旧対決。はたして。
 上級生の意地を見せたいところだったが、試合は須磨のペース。しかし、いずれも大接戦だった。樽見は勝負どころでミスが目立ち、ゲームポイントは2連続で須磨へ。後がなくなった。そして迎えただ3ゲーム。完全に流れは須磨。あっという間に差は開き、3-10。誰もが試合を諦めた。が、奇跡が起きた。開き直った樽見は、普通入れることだけを考える場面で、攻めの卓球を披露。これが功を奏した。ことごとくスマッシュは決まり、それに焦った須磨はミスを連発。なんと7連続ポイントでヂュースへもちこんだ。互いに決定打が生まれず14-14。だが、ここまで追い上げてきた樽見の意地が勝った。16-14の大逆転に場内がひと際沸いた。続くゲームもヂュースへ。しかし、今度は須磨の意地がまさった。これでトータルスコア3-3。白熱した試合はすでに3時間を超えていた。
 運命の最終試合。専大・原対日体大・津田。奇しくも1か月前、インカレのベスト8を決める戦いの再現となった。その時は3-1で原が勝利。再現なるか。先手は原。シーソーゲームを終盤に引き離し、まずはリード。しかし、第2ゲーム乱れた。津田のペースに完全にのまれ、常に受け手に回った。また、そのレシーブにもミスが目立ち、2-11の大差で落とす結果に。だが、タイム中のベンチからの修正があったのかすぐに原は立ち直った。そして、第1ゲームと似たような展開を制し、大手。一方の津田もこのままじゃ終わらない。第4ゲームは津田がリードを奪うかたちとなり、終盤へ。しかし、ついに原が捕らえた。11-11の息詰まるヂュース。他の試合は終わっており、全観客の視線がそこに集結。沈黙の中、響き渡るラリーの音。それが途切れた次の瞬間、歓声が沸き上がった。そこには原の、そして専大ベンチの笑顔があった。3-1。これもまた、インカレの再現だった。

▼ベンチに向けてガッツポーズを見せる原

トータルスコア4-3。4時間弱にわたった熱戦は、専大に軍配が上がった。


試合詳細

男子
専修大学 4 ― 2  埼玉工業大学
石井匠 0 (10-12,5-11,6-11) 3  伴誠也
星野和洋 2 (12-10,6-11,5-11,11-4,4-11) 3  胡彦广
徳増信弥 3 (15-13,6-11,11-5,11-5) 1  平屋広大
徳増信弥 江藤遼 3 (11-6,11-4,8-11,11-6) 1  小野達也小笠原笑太
森田翔樹 3 (11-8,11-7,11-3) 0  藤田峻
江藤遼 3 (2-11,13-11,10-12,11-7,11-9) 2  山木康平

3位:4勝1敗

女子
日本体育大学 3 ― 4  専修大学
西岡百子 3 (11-6,11-7,11-8) 0  天野友未
大熊千郷 1 )11-9,2-11,6-11,1-11) 3  高瑜瑶
津田比呂恵西岡百子 2 (11-9,9-11,9-11,11-7,6-11) 3  天野友未樽見早由利
李セイ 3 (11-9,11-7,7-11,12-10) 1  楠原憧子
大熊千郷須磨睦 1 (7-11,6-11,11-9,8-11) 3  榊原恵原ちひろ
須磨睦 3 (11-9,12-10,14-16,13-11) 1  樽見早由利
津田比呂恵 1 (8-11,11-2,8-11,11-13) 3  原ちひろ

5位:2勝3敗

22日は12時から男子が早稲田大学と、16時から女子が中央大学と対戦する。



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