関東学生秋季リーグ戦1日目



 専大卓球部が男女とも所属する、関東学生秋季リーグ(1部)が9月15日開幕。23日までの土日を除く計7日間、東京・代々木第二体育館にて熱戦が繰り広げられる。

 この大会は計8チームが総当たりで対戦し順位を決める(7位は2部2位と入れ替え戦、8位は2部自動降格)。試合形式は5ゲームマッチ。最大7試合行われ、先に4勝した方が勝ち星を得る。

 大会初日の15日は男女とも11:00から試合開始。
男子は中央大学と、女子は東京富士大学と対戦した。

 5月に行われた春季リーグ。男子は5勝2敗の3位と優勝まであと一歩のところまで迫った。チームのエースである徳増、また団体メンバーの森田、星野はいずれも4年生。この秋季は長らく久しい優勝への最大のチャンス。逆に逃せば、来年以降戦力的により困難になると言わざるを得ない。初戦の相手は春季7位で入れ替え戦の末なんとか残留を果たした中央大学。しかし、昨秋まで明大、早大とともに優勝を争っていた実力校。今年の関東学生選手権で準優勝の瀬山、昨年の全日本学生選抜で準優勝した森田の2大エースが、シングルス、ダブルスともに出場しチームを引っ張る。それでも優勝を狙う以上、こんなところでつまずくわけにはいかない。しっかりと勝利し、今後に向けて波に乗りたい。
 第一戦、専大はここのところ不調だった森田を起用。対する中大は、今年の関東学生選手権ベスト16の大久保を出してきた。肩書き的には向こうに分があると思えた。しかし試合は森田が圧倒。1ゲーム目はなんと1点しか与えず、第2、第3ゲームも持ち味である攻撃的な卓球で3-0のストレート勝ち。潜在能力は抜群だがそれを出し切れていない、インカレまでのもどかしさが嘘のように消え、そこにはかつての強い森田がいた。第二戦、専大はここでエースの徳増をもってきた。確実に勝利をおさめたいところだったが、序盤相手のペースにはまり“受け身の卓球”になってしまっていた。先に1ゲームを奪われると、2ゲームも途中までリードを許す厳しい展開。しかし、ここから持ち直した。徐々に自分の流れに持ち込むと、そのゲームを逆転で制す。こうなると力の差は歴然。第3、第4ゲームと力でねじふせ、終わってみれば盤石の勝利となった。第三試合、中大はここで2大エースの一人森田を繰り出してきた。専大三番手はカットマン・星野。インカレでは多くの勝ち星を挙げ、調子は上々である。先手を奪ったのは星野。切れ味鋭いカットは、幾度となく森田のミスを誘発。格上の相手から2ゲームを連取し、先に大手をかけた。しかし森田もここで終わるレベルではなかった。コツをつかんだのか持ち直し、すぐさま2ゲームを奪い返す。勝負は最終第5ゲームにもつれ込んだ。勝ったのは星野。先に点を奪い、傾きかけた流れを引き戻すと、それに焦ったか森田はミスを連発。11-4と大差をつけ、相手エースからなんとも大きい金星を挙げた。

 3-0、チームの勝利まであと一つとなった。第4試合はダブルス戦。後のない中大は関東学生選手権3位の2大エースペア、瀬山・森田組。対して専大は、ペアを組んでからまだ日の浅い徳増・江藤組を起用した。インカレで初お目見えとなったこのコンビだが、その大会では練習機会の少なさから、コンビネーション不足を露呈していた。しかし、もともとダブルスに定評のある二人。はまればとてつもない力を発揮するのは間違いない。はたして夏でどこまで改善されたか。試合はシーソーゲームとなった。先手は専大。11-9と接戦を制し、勢いに乗るかと思われたが、逆にそのあと2ゲーム連取され大手をかけられる。それでもジュースまで持ち込まれた第4ゲームをなんとか奪い2-2の同点。勝負はまたも最終ゲームへ。打球の大半は小技ではなく、力一杯のフォア。途中、一つのフォアラリーが観る者を釘付けにした。結果的に、勝ったのはそのラリーの勝者、徳増・江藤組だった。“粘り強さ”この試合の勝因は、これに尽きるだろう。この結果専大は4連勝をかざり、トータル4-0のストレート勝ちを決めた。これ以上ない最高の滑り出し。悲願の優勝に一歩近づいた。

 一方の女子。春季は2勝5敗の6位と、入れ替え戦はなんとかまぬがれたが、昨秋の3位より大幅に順位を下げた。しかし、5敗のうち3つはフルゲームの末落としたもので、他校との力差はほとんどない。十分上位進出を狙える力を持っている。
 初戦の東京富士大は春季4位。前回対戦では3-4と惜敗しており、借りを返したいところ。
第一試合、専大は2年の樽見。対する東富士大はエース劉を出してきた。今年の関東学生選手権3位のその実力は絶大だった。樽見も途中健闘を見せたが最後は力でねじ伏せられ0-3のストレート負けを喫した。第二試合、今度は逆に専大がエース高を起用。しかし東富士大も関東学生ベスト16の実力者である園田を起用してきた。試合は高が主導権。去年の学生王者、今年の関東学生準優勝の肩書はダテではなく、危なげなく2ゲームを連取し試合を決めるかに思われた。しかし、突如乱れた。相手のパワーに押され始めるとミスを連発。第3ゲームを落とし、第4ゲームも6-10というところまで追い込まれた。だが高の負けたくない気持ちが奇跡を生んだ。ここからなんと怒涛の6連続連取。12-10の大逆転で勝負を決めた。第3試合はダブルス戦。専大は天野・樽見組。関学ベスト8の実力を備える。対する東富士は今年の関東学生新人戦準優勝の池田・伊積組。実力は互角かに思われたが、試合は天野・樽見が圧倒。3-0のストレートで上級生としての意地を見せつけた。第4試合のシングルス戦は専大、東富士大ともに直前のダブルス出場選手を起用。天野対伊積の対決となった。ともに一ゲームずつ奪いあい、途中まで互角の展開が繰り広げられた。しかし、流れは徐々に伊積へ。結局その後を連取され、1-3の敗戦。ダブルスの借りを返されるかたちとなってしまった。第5試合はまたもダブルス戦。東富士大は満を持して関東学生選手権準優勝ペア加能・原田組を投入してきた。専大は榊原・原のペアで応戦。11-9、11-8と接戦に持ち込んだが、及ばずストレート負け。専大は後がなくなった。迎えた第6試合。専大はリーグ戦初出場となる1年生楠原を抜擢。相手の池田は関学ベスト16の実力者、はたして。序盤、緊張からか楠原には硬さが見られ、第一ゲームを落とす。それでも、だんだんとプレーに自信が見られるようになり、得意のサーブを軸に応戦。第二ゲームをジュースに持ち込んだ。しかし、経験で勝る相手にその接戦を制されると、第3ゲームもその勢いのまま押し切られ結局ストレート負け。トータル2-4。先に試合を終えた男子に続くことはできず、厳しい黒星スタートとなってしまった。

▼リーグ戦初出場の楠原


結果詳細

男子
専修大学 4 vs 0  中央大学
森田翔樹 3 (11-1,11-4,11-8) 0  大久保俊輝
徳増信弥 3 (3-11,11-8,11-5,11-2) 1  岩村悠司
星野和洋 3 (11-4,11-8,8-11,5-11,11-4) 2  森田侑樹
徳増信弥/江藤遼組 3 (11-9,6-11,7-11,12-10,11-7) 2  森田侑樹/瀬山辰男組

女子
東京富士大学 4 vs 2  専修大学
リュウティン 3 (11-7,11-2,11-6) 0  樽見早由利
園田彩佳 1 (5-11,7-11,11-8,10-12) 3  高瑜瑶
伊積ひかり/池田好美組  0 (7-11,4-11,8-11) 3  天野友未/樽見早由利組
伊積ひかり 3 (11-8,6-11,11-5,11-7) 1  天野友未
加能尚子/原田智美組 3 (11-9,11-8,11-1) 0  榊原恵/原ちひろ組
池田好美 3 (11-9,12-10,11-5) 0  楠原憧子

コメント
男子主将 加藤充生樹
―今日は4年生の活躍が光ったが?
「4年生はこの大会が最後なので、勝ちたいという強い気持ちがこの結果に表れているのだと思う」
―森田選手の調子について
「かなり復調してきた。このところラリー時に下がるなど弱気なところが見られたが、今日は台の前に付いて自分から攻めることができていた」
―徳増選手は第一セットを奪われてからの逆転勝ちとなったが、試合中何かアドバイスはあったのか?
「ちょっとわからないが、自分は押されている展開でも落ち着いていた。徳増は自分で立て直すことができ、エースとしての安定感があるので、きっと逆転してくれると思っていた」
―今日の勝利は星野選手の勝ち星に尽きると思いますが、星野選手はずっと調子が良い?
「相当良い。インカレからかなり勝ち星を稼いでくれていて、この試合にも出すと決めていた」
―ダブルスの活躍も光ったが?
「久しぶりに強敵に勝つウチのダブルスを見ることができた(笑)。夏はダブルスの練習にかなりの時間を費やしたので、コンビネーションが合ってきたのだと思う」
―今大会の目標はもちろん・・・
「優勝です(笑)」

女子主将 小林春菜
―黒星スタートとなってしまったが、敗因は?
「春の成績が悪かったので、今大会は恐れずに向かっていくだけだと話していたのに、それができず受け身の卓球になってしまっていた」
―今日の試合で楠原選手が初出場を果たしたが、一年生の成長ぶりは?
「夏の練習でフットワークが良くなった。皆かなり力をつけてきている」
―夏を経て、今のチームの手ごたえはどうか?
「手ごたえは感じている」
―明日から早稲田大、淑徳大と強豪との対決が続くが、対策は?
「技術では敵わないので、気持ちで負けないようにしていきたい」
―今大会の目標は?
「やるからには優勝。すでに一敗してしまったが…」



(馬場雄也・ネット情報3)



すべての著作権は専大スポーツ編集部に帰属します。
ホームページ内に掲載の記事・写真・その他全てのコンテンツの無断転載・利用を禁じます。


inserted by FC2 system