連覇目指すもベスト8敗退

 12月22日ShonanBMWスタジアム平塚にて全日本大学サッカー選手権大会(以降、インカレ)準々決勝、鹿屋体育大(九州地区第2代表)戦が行われた。専大は19日に行われた1回戦、関西大戦を延長戦の末なんとか勝利しベスト8進出を果たしていた。この試合はインカレ2連覇のためには絶対に負けられない一戦であった。

 休日開催のこの日は多くの専大サポーターがスタジアムへと駆けつけ、会場が専大ムードの中試合は始まった。専大は前半開始早々から攻勢に出る。前半4分に仲川輝人(商2・日体荏原高)が放ったシュートは相手ゴールキーパーが好セーブに阻まれるも、そのこぼれ球に大西佑亮(経営4・鹿島学園高)が反応。しかし、これはうまくミートせず決定的チャンスを逃す。前半10分には前澤甲気(経営2・清水商高)が左サイドから強烈なシュートを放つも相手ディフェンダーの体を張った守備に防がれる。その後しばらくは互いにチャンスは作るも決定機は生まれないまま試合は進んでいった。しかし前半30分、一瞬のすきを突かれ鹿屋体育大に先制を許してしまう。しかし、失点により専大の攻撃陣に火がついた。前半35分には仲川がキーパーと1対1のチャンスを迎えるもシュートは枠の外へ。40分には合計4本のシュートを放つ波状攻撃を見せるも相手守備陣を破ることはできず0-1と1点ビハインドのまま前半を終了した。

 後半が始まり専大は交代で入った牧内慶太(文4・柏日体高)を中心に左サイドから攻め続ける。後半10分の鈴木雄也(経済4・武相高)のダイビングヘッドシュートも枠をとらえることはできない。何度もチャンスを迎えるも、11人全員が自陣で守備に回った鹿屋体大から得点は奪えない。後半25分には長澤和輝(経営3・八千代高)、30分に仲川が決定機を迎えるもゴールには繋がらない。このまま試合終了かと思われた後半ロスタイム、左サイドからのクロスボールのこぼれ球に反応したのは、この日センターバックとして出場していた萩間大樹(経済1・瀬谷高)だった。右足から放たれたシュートはゴールネットへ突き刺さり、試合を1-1の振りだしへと戻したのだ。そして、このままホイッスル。2試合連続の延長戦へと突入することとなった。

 延長戦は同点に追いついた勢いそのままに専大ペースで試合が進んでいく。しかし、ここでも決定機は作るもあと一歩のところでゴールには結びつかない。そして、両チーム得点を挙げることはできずPK戦へ。

 会場は応援の声も止み、張り詰めた空気の中PK戦は始まった。両チームとも3人目までは成功が続いた、しかし専大4人目のキッカー鈴木主将が放ったシュートは無情にも枠の外へ。この結果、後攻の専大は次のキッカーを止めなければ負けが決まってしまう窮地に追い込まれてしまった。選手、サポーター全員が祈る中、1年生GKの福島春樹(法1・静岡学園高)がシュートを止めた。専大5人目も決めPK戦はサドンデスへと突入。一人も外せない緊張感の中、迎えた専大6人目のキッカーは牧内。一つ呼吸を整えてから振りぬいた彼のシュートはクロスバーを叩いた。

 この瞬間、専大サッカー部のインカレは終わり、インカレ2連覇という目標は達成できなかった。



▲最後まで闘志あふれるプレーを見せた鈴木主将


▲値千金の同点ゴールを放った萩間


▲最後まで熱い声援を送り続けたスタンドの選手、サポーター


源平監督のコメント
「試合結果はとても残念だった。相手に先制されて、うちの攻撃力ならばもう少し崩せると思ったが守備に回った敵を崩すことができなかった。PKになってしまったらあとは運次第といってもいい。それまでに決着をつけなければならなかった。(来年のチームについて)やるべきことは変わらない。『攻撃的で美しいサッカー』をやり続けていく」

鈴木雄也主将
「力不足で勝ちきれなかった。ここまでみんなに支えられて勝ち上がってきたのに、自分が(PKを)外してしまった。チームメートに申し訳ない。(PK戦の前に)笑って帰ろう、と話していたのに結果が残せなくて悔しかった。(来年のチームにむけ)今年とることができなかったものを取り返してほしい。簡単ではないと思うが、強いチームだし、全員に力があるから絶対にできると思う」

長澤選手
「まだ負けた実感がない。ひいた相手を崩せなかったのは力不足を感じた。来シーズンのことは何も考えられない」

仲川選手
「チャンスをものにできなかった自分の力不足を感じる。チームとしても多くの機会を得点にできなかったのが今回の課題だと思う。(来年のチームについて)4年生がやってきてくれたことを引き継いで、さらに強くなっていこうと思う。『攻撃的で美しいサッカー』は変わらないが、来年はまた違う形で強くなれると思う」

萩間選手
「先制点を許してしまい、それから相手がずっと守りに入っていた。そこをこじ開けられなかったことが課題として残る。試合終了間際に自分が同点にできて、その瞬間は嬉しかったが他のところで決めきれなかったことが問題。相手の方が気持ちが強かったことも大きかった。4年生には 本当にお世話になったのでここで負けたのは悔しいが、新チームでこの分を取り返せるように頑張るだけです」



(石川 達也・人間科学1、写真=鈴木 詩織・文2)




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