ジャパンラグビートップリーグ体験取材 in 秩父宮
秩父宮ラグビー場で行われたジャパンラグビートップリーグ第10節、サントリーサンゴリアス対NECグリーンロケッツの試合を取材しました。日本最高峰の戦いが繰り広げられるトップリーグ。その中で活躍する2人の専大OBにもお話を伺いました。
OB選手インタビューはこちらから
>大東毅(NECグリーンロケッツ)
>森岡恵二(サントリーサンゴリアス)
―トップリーグとは―
前述の通り、日本最高峰の社会人リーグだが、2003年発足と歴史は浅い。全14チームで構成され、上位4チームがトーナメント方式で戦うプレーオフ(マイクロソフトカップ)に出場し、その勝者がトップリーグ覇者となる。13位以下は自動降格、11、12位はトップチャレンジ上位チームとの入替戦にまわる。現在のトップリーグの体制がつくられたのはごく最近であり、当初はリーグ戦とカップ戦は別物で、優勝を二分していたが、プレーオフ制度の導入により、優勝争いが今まで以上に白熱。また下位4チームは下部リーグへの降格の可能性があるため、リーグ終盤にかかっても見どころは多く、人気は徐々に右肩上がりである。今年から外国人枠の拡大や、世界的に一部ルールの変更が試験的に実施されていることもあり、よりハードなコンタクト、スピーディーな展開が期待される。
≪観戦レポート≫
この日の秩父宮は強風が吹き荒れ、ピッチレベルではコーナーフラッグが地面すれすれまで折り曲げられていた。試合は予想通り前半風上にたったNECが優位に試合を進める。序盤からSOヤコ・ファン・デル・ヴェストハイゼンのキックを中心にサントリー陣内に進入。9分には強力なラインアウトモールからトライを挙げた。その後はNECの素早いボールへのアプローチ、粘りのあるディフェンスも光り、前半はNECが15-0とリードして折り返す。
後半始めからサントリーはメンバーを大幅に交替させ、試合の主導権を握りにかかるが、この策が見事に的中する。風上に立ったことで、途中出場のSO曽我部佳憲の距離の出るキックが炸裂し、前半とはまったく逆の展開に。サントリーは立て続けのシンビンで2人少ない時間帯もあったが、NECのまずい攻めにも助けられた。結局、CTB平浩二、FB北條純一のトライなどで23-15と逆転。終わってみれば、サントリーの試合巧者ぶりが際立った一戦だった。
(撮影:松本かおり)
試合のポイントとしてはやはり風だろう。特に蹴り合いの多い今のラグビーでは、風下のチームはいかに耐えるかが重要になってくる。サントリーは前半に15点のビハインドを負ったものの、よく耐えた印象が残った。NECは後半のゲームプランがチーム全体で統一されず、ちぐはぐな攻撃に終始した。
この試合の結果により、サントリーのマイクロソフトカップ出場が一歩近づいた。首位の三洋電機ワイルドナイツとの試合を残しているNECは厳しくなった。
(文責:山中克浩)
≪第10節終了時点での順位表≫
勝ち 負け 勝ち点
①三洋電機ワイルドナイツ 10 0 49
②東芝ブレイブルーパス 9 1 44 MSC出場権
☆③サントリーサンゴリアス
8 2 41
④神戸製鋼コベルコスティーラーズ 7 3 34
☆⑤NECグリーンロケッツ 7 3 31
⑥トヨタ自動車ヴェルブリッツ 5 5 26
⑦ヤマハ発動機ジュビロ 5 5 26
⑧クボタスピアーズ 5 5 23
⑨近鉄ライナーズ 3 7 18
⑩コカコーラウエストレッドスパークス 4 6 17
⑪福岡サニックスブルース
3 7 16 入替戦
⑫九州電力キューデンヴォルテクス 2 8 13
⑬日本IBMビッグブルー 1 9 8 自動降格
⑭横河武蔵野アトラスターズ 1 9 8
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