秋季リーグ第2戦 山梨学院大相手に不完全燃焼‏


 10月3日、拓大グラウンドにて秋季リーグ2戦目が行われた。専大の相手は山梨学院大。昨年の同校との試合は22―29と1トライ差ながらも、いい内容とは言えなかった。リーグ1戦目、國學院大戦を華々しい勝利で飾った専大。努力の成果を、存分に発揮できるのだろうか。

 開始4分、左サイドに走り込まれ、あっという間に相手へ得点の可能性を与えてしまう。敵ゴール前でFW陣が何度もタックルを仕掛けるが、突破されて最初のトライを奪われる。
 その後、少ない人数で相手の攻撃布陣を抑え、ボールを手にするも、オフサイドでペナルティキックへ。蹴り出されたボールは5メートルラインを越えることなく失速。BK陣が不在のゴール際で留まる。専大はリペア―に走るも、山梨学院大の方が一足早かった。止まったボールを押し込まれ、0-12となる。

 そろそろ点が欲しい専大。キックの応酬後、パス回しで詰め寄られるも、タックルで反則を誘いマイボールに。ラインアウトを二つ重ね、自陣に集めた相手チームの隙をつく。ゴールポストの真ん中に走り込み、鮮やかなトライを決めた。
 しかし、27分には、今回の試合を象徴するような出来事が専大を追い詰めた。相手ラインアウトからのリスタート後、ボールを奪取しキックで一気に敵陣に攻め入る。山梨学院大の選手にプレッシャーをかけ、ノックオンを誘った。しかしスクラムで勝ることはなく、専大はボールから引き離されてしまう。パスで運ばれたボールは、そのままゴールラインの向こうへ押し込まれた。後半もこの展開が何度か繰り返されることとなる。

 ハーフタイムにはキャプテンである武田達也(経済4・啓光学園)が、怪我により前田宙樹(ネット2・巻高)と交代。チームの軸が抜けたことにより、試合への影響が懸念された。
 不安は的中し、後半が開始してすぐ、山梨学院大が速攻を仕掛けてきた。ゴールラインに向かって蹴りつけられたボールはグラウンドの外に出ず、生きたまま相手の手に渡る。サイドに振られるのに何とか付いていきタックルで捕らえようとするも、トライの可能性を濃厚にする絶好のパスを許してしまった。ゴールキックは決まらなかったが、またもや追加点を見送ってしまう結果となる。

 試合時間は残り30分。まだまだ逆転の可能性は十分にあった。自陣の22メートルラインに走り込まれたが、粘りのラックで何とか事態を免れる。ラインアウトからパスをつなぎ、ゴールを目指す。しかし、相手のキックから攻撃は振り出しに戻ってしまった。それからも何度か追加点のチャンスを手にするも、得点につながることはなかった。逆にスクラムの競り負けで二つのトライを防げず、ホイッスルが鳴った。


▲スクラム戦は激しさを極めた


<前半>14:31分開始
前半4分●0-5
前半11分●0-12
前半18分○7-12
前半27分●7-17

<後半>15:24分開始
後半2分●7-22
後半15分●7-27
後半23分●7-32


試合後コメント

榎本監督
「完敗。接点で負けていた。練習でしてきたことをやるように言ってきたが、その成果は出せなかったと思う。また、相手はポジティブなミスが多かったが、こちらはネガティブなミスを多くしてしまった。ディフェンスが耐え切れなかったので、また一から見直していく必要がある。チーム全体としての力は伸びてきているが、課題点はまだ多く残っているので、これから修正していかなければならない」

武田主将
「前半は反則が多かったが、思い通りの展開だった。2トライ差にまで抑え、そこから巻き返しを狙っていこうと考えていた。しかし後半から自分が怪我で抜けたことにより、チームのコントロールが取れなくなってしまった。相手のスクラムが強いのは分かっていたから、対策も考えていた。しかし発揮できずに終わってしまった。正直言って不完全燃焼。疲れている選手もほぼいないと思う。自分がチームの精神的な支柱だったために、この怪我は悔しい。モチベーションのコントロールも完全には上手くいかず、ゲームプランに入れ込み過ぎて、熱くなってしまった。心は熱くしても、頭は冷やさなければいけない。しかし、今の方向性は間違っていないと思う。残り二つは必ず勝ちに行く」



(土屋杏有美・文2、撮影=加登美有・文1)




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