オープン戦 対山梨学院大‏


 5月15日、伊勢原で行われた山梨学院大とのオープン戦は、良いところなく3戦全敗に終わった。中でもAチーム戦は0―52と惨敗だった。

 敗因を挙げれば切りないが、一番はブレークダウンだろう。集散が遅い上にキャリヤーのラックも悪く、毎度の課題である接点の弱さが浮き彫りになった。もう一つの課題であるスクラムはキープするのも一苦労で、マイボールでもピンチを招くほど安定しない。ほとんどの時間帯で専大は守勢に回り、少ないアタックの場面でも1次・2次の段階で寸断される。点差はスキャンダラスだが、内容を見れば納得の数字だった。

 輝きを見せたのは、大外でパワフルな動きを見せた前田悠佑(1・常翔学園高)と、長期離脱から復調の兆しがある永木翔太(3・啓光学園高)くらいだろうか。前田は専大の中では珍しく、気迫を前面に押し出すプレーヤーで、人に滅法強い。対面のタックルを弾き飛ばす姿は異彩を放ったが、そこに渡る前のフロントスリーが勝負しきれなかった。ライン全体が機能していれば、前田はトライを決めていただろう。


▲Cチーム戦で2トライを挙げた永木

 専大は前に出る意識が希薄で、あまりにも大人しい。山梨学院大とは今世紀に入って熾烈な争いを演じてきた。ここ3年のリーグ対戦成績は1勝2敗、いずれも点差は1トライ1ゴール以内と競っているし、何といっても2002年、初の2部落ちへと誘われた因縁がある。その相手にオープン戦といえども手も足も出なかった。ハイパントをキャッチされて持ち込まれたり、ポイントサイドを簡単に抜かれたりと、終盤は集中力も完全に切れていた。怖いもの知らずの1年が目立つのもいいが、裏を返せばそれほど全体に迫力が感じられない。

 現在の両チームの差が52点。これを半年足らずで、技術的にも精神的にも埋めなくてはならない。例年通りならば、今季はリーグ4戦目で山梨学院大とぶつかる。おそらく入れ替え戦進出には負けられない試合になるだろう。

《スコア》
・Aチーム戦 ●0-52
・Bチーム戦 ●5-22
・Cチーム戦 ●17-42

武田達也主将(4・啓光学園高)
「今日は全部自滅。とにかくスクラムで(ボールを)出せないと勝負にならない。うちの部員は気が弱くて、敵陣に入ってもミスが多いし、プレーが消極的になっている。もっと前に出る意識をもってプレッシャーをかけないと。当たり前のことをやったら勝てない相手じゃない」



(山中克浩・経済3、撮影=加登美有・文1)




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