オープン戦 対摂南大学‏


 5月1日からオープン戦が始まっている。初戦は摂南大学(関西リーグ戦3位)をホーム伊勢原に迎えた。

 Aチーム戦は完敗だった。摂南大はワイドに攻撃を仕掛けることは少なかったが、近場をガンガン突いてゲインを切ってきた。専大は二人がかりのタックルで止めにかかるも、ボールは継続され、やがてはノミネートの部分で綻びが出てしまう。「個々の接点の精度が欠けている」とは榎本邦夫監督の弁で、一人一殺のタックル、ボールへのアプローチという点ではまだ弱さが見える。
 セットプレーではマイボールがキープできない。特に後半は攻守がほとんど変わることなく、専大は守備に追われて消耗するばかりだった。相手にプレッシャーをかけるに至らずとも、マイボールさえきちんと出せれば状況は違ってきたはずだ。それを証明したのがBチームで、セットプレーが安定した分、アタックのリズムが崩れることはなかった。よってAチームより楽に展開力を使え、走力のある前田悠佑(1・常翔学園高)が大外で伸び伸びプレーしていた。

 内容以外で目を引いたのは選手起用だ。A・Bチームの面子を見れば実力差はなく、チーム内の競争意識は相当煽られている。4月の部内マッチも白熱したようだ。Aチームのハーフ団はSO大曽広一(2・常翔学園高)、SH高藤新(2・天理高)の2年生コンビだったが、アタックの機会が少ない中で高藤はトライを決めたし、BチームではSO石井知也(4・國學院栃木高)=写真=が4年らしい貫禄あるプレーを見せていた。LO蛸俊祐(4・保善高)、CTB山下航(3・東福岡高)の布陣も新鮮で面白い。



 「接点」「セットプレー」は昨年と変わらず専大の大きな課題であるが、今年はそれを乗り越えそうな気がするのは、失敗からくる重い雪辱の精神からか。そこに加わった熾烈な競争だ。Aチームは負けてしまったが、試合を重ねるごとに内容も良くなるはず。15日には山梨学院大戦、23日には立正大戦と、オープン戦ながら目玉のカードが続く。選手の闘争心に火がつき、好ゲームになるだろう。

《スコア》
・Aチーム戦  ●19-47(前半7-26)
・Bチーム戦  ○43-19(前半24-7)
・Cチーム戦  ○29-5(前半10-0)

武田達也主将(4・啓光学園高)
「セットプレーで全然キープできず、常に相手のペースでやられて、精神的にも後手にまわってしまった。セットプレーが安定すれば、Bチームのように自分たちのペースでできる。スクラムに関しては、うちはサイズが小さいし時間はかかると思う。けど、自分たちの課題はわかっているし、それを修正する自信はある。とりあえずセットプレーは練習からしっかりやっていきたい」



(山中克浩・経済3)




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