ワイカト協会・ホッダー氏が特別講師として伊勢原を訪問



 
低迷が続く専大ラグビー部に、ラグビー大国・ニュージーランドから頼もしい〝助人外国人〟がやってきた。ニュージーランド・ワイカト協会のポール・ホッダー氏が、ラグビー部の一日講師として伊勢原を訪れ、特別指導を行った。

 専大はワイカト大学と国際交流協定を結んでおり、ワイカト大日本事務所が来日中のホッダー氏に臨時講師を依頼。国際交流の一環として今回の特別指導が実現した。


▲ミニミーティングで熱く指導するホッダー氏

 練習は午前にディフェンス、午後にオフェンスと二部に分かれ、内容はタックルやパスなど、プレーの基礎となる部分に焦点を当てた。基本動作の中にも複雑な動きを織り交ぜ、趣向を凝らした練習方法に頭を悩ませる選手も。ホッダー氏は「一つのプレーにもいろんな練習が考えられる。今日の練習でみんなの引き出しを増やせれば」と語る。

 気付いたことがあればすぐに練習を中断し、ミニミーティングを展開。「この練習で一番大切なことは何だ?」と選手に問いかけるなど、大きなジェスチャーを交えながら意図を再確認させた。選手たちの表情にも徐々に真剣見が増していき、最後の実戦練習では、選手同士が活発にコミュニケーションをとるようになっていた。

 武田達也主将(経済4・啓光学園高)は「(教わった)パスの投げ方が今までと違って、違和感があった」と新しい感覚に戸惑いながらも、「今日やったことをマスターすれば、もう一、二段レベルが上がると思う。これで終わらせることなく、一人一人が高く意識を持って、継続していくことが必要」と手応えを感じる。榎本邦夫監督も「攻守の基本をやってもらって、応用もできた。これから全体練習が始まる時期だから、(基礎の)見直しができてよかったと思う」と目を細めた。

 指導を終えたホッダー氏は「(部員は)少し大人しいけど、やる気に満ちているね」と満足気。「ゲームでの自分の責任をきちんと理解することが重要だ。一人一人がチームのために責任をどれだけ果たすか。そのためには普段の練習を書き留めて、反復することが大切。今日の練習でそれをわかってもらいたいね」

 日本のラグビー普及に関する話に及ぶと「プレーするにしても、観戦するにしても、ラグビーに携わるみんながファミリーだ。小さい人も大きい人もみんなが楽しめる。ラグビーはそういうスポーツだと思うね。もっとラグビーをエンジョイしてもらうために、環境を用意することが自分の役割だと思うよ」と意気込む。

 これからラグビー部は、いよいよ5月から始まるオープン戦に向けたトレーニングを開始する。ホッダー氏が植え付けた意識は、1部復帰への処方箋となったはず。秋には最高の恩返しといきたいところだ。



(山中克浩・経済3)




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