関東ジュニア第5戦 因縁の相手に快勝し、3位で終える
Aチームが山梨学院大学に引導を渡された翌週の11月22日、ホーム伊勢原で行われた関東ジュニアリーグ(C3)最終戦で、Bチームが同じ因縁の相手に雪辱を果たした。ジュニア戦では第4戦(対拓大)を除いて好ゲームを見せている専大だが、この日は今シーズン一番ともいえる出来で快勝し、C3では筑波大、日大に続く3位となった。
この日の主役はハーフ団の2人だが、中でもSO石井知也(3・國學院栃木)の出来は素晴らしかった。石井はハーフウェイ付近の判断が冴え、キック処理に難がある相手のバックスリー(WTB・FB)に対して際どいキックを蹴り続けた。長短を巧みに使い分けて何度も陣地を取り返し、さらに裏のスペースに精度の高いハイパントを上げてチャンスを演出した。ディフェンス面で存在感を放ったのはSH矢畑豊(高崎商業高)。グラウンドに響くほどのコールでポイント後方からラインに的確な指示を与え、自らもひざ下への低いタックルを繰り返した。
▲コールでチームを引っ張った矢畑
「Bチームの方がスクラムは強いかもしれない」と榎本監督は話す通り、PR川村慶太(4・青森工業高)を中心としたスクラムはいつにも増して安定感があった。昨季は不動のレギュラーとして活躍し、入れ替え戦にも出場した川村だが、スクラムの核として期待された4年目のシーズンはAチームでの公式戦出場はない。スクラムはAチームの大きな課題となっているが、経験がものをいう部分だけに、川村の存在はチームにとってカンフル剤となるかもしれない。
▲スクラムの中心となった川村
試合はキックで敵陣深くに入り込んだ専大が終始流れをコントロールし、仕掛けの部分ではBKの展開力も発揮された。ハンドリングのエラーもほとんどなく、ラインディフェンスもよく整備され、長く敵陣でプレーする理想の形ができていた。松尾俊介(1・長崎北高)のタックルで長いラストプレーに終止符を打つと、多くの選手がひざに手をつき、足をつりながらも激戦をたたえ合った。
「Aチームにいい刺激になったと思う」と、試合後に石井は話した。部員全員がリーグでの成功を祈り、尽力している。しかし、応えられるのはグラウンドに立つ者のみ。岩宮組は最後の熊谷の地で、どう応えてくれるのだろうか。
石井知也 「今日はいつも通りディフェンスを重視して、戦術的にはキックで陣地を取りながら、外にいけるなら回していこうと言っていた。練習からBチームは動きが良くて、今日もAチームにいい刺激になる試合が出来たと思う。最終戦でもキックでテリトリーを取って、クイックでラインを揃えるとか、練習でやっていることをしっかりやりたい」
《試合経過》 ・前半(10-0) 13(専)左ペナルティで③川村のリスタートから⑪國江とわたりトライ、キック(石井)× 5-0 18(専)左ラインアウトモールから②武田トライ、キック× 10-0 ・後半(22-12) 15(専)⑨矢畑ポイントサイド抜けて⑤吉野へとわたりトライ、キック○ 17-0 17(山)NO8にライン破られトライ、キック○ 17-7 21(専)右スクラムから2次攻撃で⑩石井→⑪國江とわたりトライ、キック○ 24-7 26(専)中央22メートルPG 27-7 35(山)右展開からギャップ抜ける、キック× 27-12 41(専)連続攻撃から右あまらせて⑮久保田トライ、キック× 32-12
(山中克浩・経済2 写真提供=松本かおり氏)
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