関東リーグ第5戦 健闘むなしく、自力での入れ替え戦出場が消滅



 “終戦”の2文字が早くもちらつき始めた。11月7日に行われた埼玉工業大学との試合で2敗目を喫し、自力での入れ替え戦出場の可能性が消えた。ちょうど去年の今頃、専大は同じ熊谷の地でハイパフォーマンスを演じ、立正大を下した。昨季のイメージを強く持って臨んだ一戦だったが、力の差を見せつけられてしまった。


▲スクラムは終始劣勢だった

 前半は眠っている埼工大に対し、陣地を取るキック、ハイパントを中心に敵陣に入り込む。6分に先制トライを許すが、その後は相手の留学生プレーヤーに2人、3人がかりのタックルで応戦してゲインを許さない。攻めてはしつこくポイントサイドでFW戦を仕掛け、ほとんどの時間帯でボールキープした。しかし、ゴール前の判断ミスでチャンスを逸しては、一気に陣地を挽回されるシーンが繰り返された。3-7と僅差で折り返したものの、リードしなければならない展開だった。

 後半8分、右サイド22メートル付近のスクラムからSH厨龍一(4・天理高)が仕掛け、できたギャップに古川賢一(4・東農大二高)が走り込み逆転のトライを挙げる。しかし、ここから前半の好機を逃し続けたツケを払うことになる。消耗した専大ディフェンスをしり目に、個で勝る埼工大は速いパスアウトから次々と突っかける。15分にポイントサイドを強引に押し込まれて勝ち越しを許すと、直後のキックオフをつながれて痛恨のノーホイッスルトライを決められた。25分に埼工大はインパクトプレーヤーとしてFBミフィポセチを投入。フリーランから軽がると専大ディフェンスを乗り越え、ビッグゲインを連発した。最後はミフィポセチに独走トライを許してノーサイドの笛。健闘したものの、完全な力負けだった。

 課題のスクラムの劣勢が最後まで尾を引いた。ウエイト、技量ともに勝る埼工大は、ボールインからの圧力で十分に押せる。ヒットで優位に立とうと前のめりになる専大は、ファーストスクラムでいきなりペナルティを取られるなど、気持ちだけがはやっていた。足にきた後半は姿勢も高くなり、下から突き上げられるようにして押され始めた。マイボールをキープできなければ、攻撃も手詰まるのは必然だった。


 岩宮壮主将(4・報徳学園高)は開口一番、「すみません」と言って苦笑した。最後までキャプテンシーを発揮し、プレーでもコールでもチームを鼓舞し続けたが、はっきりと力の差が出た敗戦に落胆の表情は隠せなかった。入れ替え戦の灯を消さないためにも、残り2戦勝つしかない。


▲チームを引っ張った岩宮

榎本監督
「スクラムであれだけ押されるのは誤算だった。接点の部分でも、うちのチームで優位に立っていたのは2、3人しかいなかった。相手の留学生がいつ投入されるかもわかっていたし、1、2本取られるのは覚悟していたが、その時点でリードされていたのは痛かった。攻撃は全体的に決め手がなく、どうしても手詰まりになってしまう。あと2試合頑張るしかない」


《試合経過》
・前半(3-7)
06(埼)左サイドをNO8が突破しトライ、キック○  0-7
15(専)中央15メートルPG(古川)○  3-7
・後半(7-29)
08(専)右スクラムから⑨厨が持ち出し、⑮古川と渡りトライ、キック○  10-7
15(埼)左ラインアウトモール後のラックから持ち出しトライ、キック×  10-12
17(埼)キックオフをつなぎノーホイッスルトライ、キック×  10-17
25(専)右30メートルPG×
31(埼)インゴールへのキックに走り込みトライ、キック○  10-24
37(埼)右の狭いサイドをつなぎトライ、キック×  10-29
44(埼)中央こぼれたボールを拾って独走トライ、キック○  10-36

《次戦日程》
11/14 関東リーグ第6戦 vs 山梨学院大学 @日大稲城グラウンド 14:00KO



(山中克浩・経済2 写真提供=松本かおり氏)





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