関東リーグ第4戦 出足苦しむも後半大量点、次の3戦へ!



 入れ替え戦から約1年ぶりの熊谷は、そろそろ冬の訪れを感じさせる寒さだった。リーグ4戦目の相手は、前年度2部6位で現在3連敗中の東洋大学。

 前半開始からなかなかペースをつかめず、相手の攻める時間が続く。前半14分、モールで押し切られ先制点は東洋大。専大も一度ゴール前まで来たがチャンスを生かせない。先週の国際武道大戦で試合中の声が増えていると感じたが、静かになってきている。なんとなく嫌なムードだなと感じた瞬間、ウイングの松尾俊介(1・長崎北)の「専修声出して!」の声が響いた。FW陣もそれに応える。


▲開幕からスタメン起用が続くWTB松尾

 明確に流れが変わったと感じたのは25分、東洋大のキックを酒井晃也(4・秋田中央)がチャージで止めた時からだ。これが二度続き、さらに相手ボールのスクラムを奪ってマイボールにする。先週に続き今回再確認できたのは、やはりFWが変貌を遂げた点。酒井をはじめとして、ここにきてFWが存在感を放っている。出足が優れない焦りからくる停滞が次第に消え、選手の表情にも再び血がめぐってきた。スクラムを組む前に露木光(4・仙台育英)が笑顔で声をかけるシーンも見られた。ここで33分、古川賢一(4・東農大二)がペナルティゴールを決める。残り5分にはゴールライン前でのチャンスが増え始め、なんとしても逆転して後半につなぎたい、というところで42分守田拓記(3・報徳学園)がトライ。

 後半も入りがいいとはいえなかったが、7分あたりから再三のトライチャンス。だが、決めきれない。インゴールまで運べているのだが、オフサイドなどによるノーカウントでじりじりと時間が流れる。ここで14分、松尾がトライを決め、しばらく無得点の時間が続いたが、27分の山下航(2・東福岡)のトライから、専大はトライを量産。東洋大に得点機を与えなかった。國學院大戦以来怪我で休場していた石渡賢人(4・国学院久我山)も30分に登場し、34分には復活トライ。37分にはマイボールスクラムで厨龍一(4・天理)から古川、石渡とつないで右サイドを突破しゴールライン手前までいき、ラックから岩宮壮(4・報徳学園)が決める。42分、ペナルティゴールを古川が決めて試合終了。


 試合後、選手たちには気持ちのいい笑顔がみられた。下級生も活躍するゲームというのは、いつもと少し違う興奮が生まれる。今日は松尾、山下、久保田諒(2・崇徳)など1、2年生も試合を沸かせた。試合に出ている者も周りからみている者も、喜びに加えて、「こいつらだけにやられてたまるか」、という焦りのようなものが混じるからかもしれない。焦燥感なくして興奮や力は生まれない。どんどん“やんちゃ”を期待したい。それをまとめることの出来る大黒柱はいる。


▲途中起用に応えた久保田

 リーグ戦は残り3試合、埼玉工業大、山梨学院大、立正大と続く。主将の岩宮に、どこを修正していきたいか尋ねると「やっぱり入りですね」という。気持ちはあるのに、出足で停滞する。「入り」を確実に克服する方法など存在しないかもしれないが、とにかく今日のようにプレスをかけ、カバーして、ディフェンスからチャンスをつくっていくのが、入りを良くする絶対条件だろう。次の試合も同じようにというわけにはいかないが、この勝利からつかんだものも次の一戦に生かせるはずだ。


《試合経過》
・前半(10-5)
14(洋)右サイドモールでトライ、キック× 0-5
33(専)PG(古川) 3-5
42(専)守田 キック(古川)○ 10-5
・後半(37-0)
14(専)松尾 キック○ 17-5
27(専)山下 キック× 22-5
30(専)酒井 キック× 27-5
33(専)久保田 キック× 32-5
34(専)石渡 キック○ 39-5
37(専)岩宮 キック× 44-5
42(専)PG(古川) 47-5


《次戦日程》
11/1 関東ジュニア(カテゴリー3)第4戦 vs拓殖大学 @拓大G 13:00~
11/7 関東リーグ(2部)第5戦 vs埼玉工業大学 @熊谷B 12:00~



(記事・写真提供=松本かおり氏)




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