関東リーグ第2戦 國學院大に苦杯喫し早くも窮地に



 10月3日に行われた國學院大学との試合は、悪い意味で専大ラグビー部史上でも最も歴史的なゲームとなってしまった。初戦の大勝で浮ついた足元を、昨季3部から昇格したばかりの新鋭に見事にすくわれてしまったのだ。この敗戦で1部復帰どころか、2部のトップ4陥落も現実味を帯びてきた。



▲試合後、憮然とした表情で引き揚げる22國江孝太(3・関商工高)


 開始2分、SH厨龍一(4・天理高)のノックオンをレフェリーが見逃し、WTB石橋健司(4・報徳学園高)がこぼれ球を拾い上げて先制する。いきなりのラッキーパンチに楽勝ムードが漂ったが、ここから國學院大自慢のBK陣が本領を発揮する。相手のWTB岩井は40メートル走4秒77と俊足のトライゲッターだが、この日はボールが渡るだけで歓声が上がるほどの暴れっぷり。國學院大は巧みなカットアウトから岩井にボールを集中させ、個人技で専大ディフェンスをぶち抜いた。

 後半はBKの劣勢を受け、FW中心に近場での勝負に切り替えた。しかし、SHのパスミスから後半最初のトライを許すと、チーム全体が一気に気落ちし、奮起を促すコールも出なくなっていた。焦燥と怒りからノックオンを連発し、相手に主導権を握られたままノーサイド。力を出し切って歓喜に沸く勝者と、不甲斐なさに肩を落とす敗者。ピッチ上のコントラストは明確だった。


 驕りのあった専大にとって、相手BKの持つスピード、キックの精度は想像以上だったに違いない。また國學院大のディフェンスはボールを持つ手元を狙ってタックルし、ノックオンを誘発していた。開幕戦で面白いようにパスを回したBK陣だったが、試合前の雨でスリッピーになったことを差し引いてもひどい出来ばえだった。SH厨のパスは左右にぶれ、SO守田拓記(3・報徳学園高)のハンドリングは不安定、CTB茂呂拓哉(4・つくば秀英高)は不用意な倒れ込み(※)を繰り返した。BK戦は自身の強みを最大限に生かした國學院大の完全勝利だった。



▲厳しいディフェンスを受けボールをこぼす⑩守田


 入れ替え戦進出のデッドラインは2敗。早くも窮地に立たされたが、「まだ全然終わってない。あと全部勝てばいい。わかりやすくなったでしょ」と岩宮壮主将(4・報徳学園高)。やってきたことは間違っていない。あとは信じてチャレンジするしかない。


※倒れ込み(オーバーザトップ)…ラック内で相手側に倒れこみ、妨害すること


《試合経過》
・前半(12-20)
02(専)⑨厨突っ込みこぼれ球を⑭石橋拾い上げてトライ、キック(古川)× 5-0
05(國)BK展開しカットアウトからトライ、キック× 5-5
13(専)左ラインアウトモールから⑧酒井が持ち出してトライ、キック○ 12-5
15(國)右に展開しカットアウトから大外でトライ、キック× 12-10
23(國)自陣深くからパス回し右展開からトライ、キック× 12-15
36(國)WTBの個人技で2人振り切りトライ、キック× 12-20
・後半(5-23)
05(國)左こぼれ球をWTB前に蹴りだしそのままトライ、キック○ 12-27
12(國)左22メートル付近からDG 12-30
15(國)左20メートル付近からPG 12-33
22(國)左FW戦のあとSH抜け出してトライ、キック× 12-38
30(専)⑬石渡が大きくゲインし⑦牛島がトライ、キック× 17-38
32(國)裏へのキックをWTB前に持ち出しトライ、キック× 17-43



(山中克浩・経済2  写真=土屋杏有美・文1)




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