オープン戦 対抗戦王者相手に力の差痛感



 5月23日、専大は強豪・帝京大学とのオープン戦に挑んだ。本来なら錚錚(そうそう)たる顔ぶれが揃う帝京大だが、この日は主力メンバーがお休み。専大のA・B・Cチームに対し、ワンランク下のB・C・Dチームをぶつけてきた。それでも対抗戦王者の優勢は揺るがず、特にレギュラーメンバーで臨んだ試合では予期せぬ大差をつけられた。しかし、5-69と一見スキャンダラスなスコアも、内容を見れば妥当な結果だった。


・Aチーム戦  5-69(前半5-45)

 序盤から接点で圧倒された専大はボールを保持することもままならず、ほとんどの時間をディフェンスに費やした。しかし、人数が足りているにもかかわらずポイントサイドを簡単に破られるなど、肝心のディフェンスで甘さを露呈する。前半の終わりごろからようやくいいタックルが決まりだしたが、接点で余裕のある帝京大は確実に継続攻撃を繰り返し、専大が反撃に転じるチャンスはなかった。

 セットプレーでも劣勢に立つ。サイズの差を考えればスクラムで押されるのは覚悟していただろうが、突っかけの瞬間から強いプレッシャーを受け、ただ球を出すのに相当苦労した。ラインアウトではトリックプレーで2度トライを許す屈辱を受け、22メートルライン上からはモールで一気に押しこまれた。後半20分以降は専大が相手陣でプレーし始めるが、やはりセットプレーでボールを失う場面が多かった。

 面白いように攻め立てていた帝京大だが、トライした後も集中を切らさず、近くの選手同士で積極的に「トーク」するあたりはさすがだった。全員が修正点を確認し合い、同じベクトルでプレーすることを要求する。どちらかというと大人しめな専大にはあまり見られない光景だ。時折ピッチ脇にいるコーチが選手の輪に歩み寄り、ドスの利いた関西弁で発破をかけると、その場が一層引き締まった。ピリピリした空気が漂ったが、帝京大には同時にいい緊張感が生まれていた。


 専大にはどこか元気がない。常に周囲とのコミュニケーションを絶やさず、モチベーションを高く維持した帝京大とのコントラストが激しい。多すぎる課題を前に、昨季入れ替え戦を勝ち取った自信は薄れつつある。オープン戦は結果よりも内容重視だが、今のチームには勝利という結果が必要かもしれない。


7.牛島直人(3・東京高)コメント
「修正点が多い。というか今日に限っては修正点しかない。サイズの差はある程度頭にあったが、セットプレーが不安定だった。帝京大は接点が強かったし、オーバーの寄りも速かった。ポゼッションも8割くらいは向こうだったので…。次の試合はもっとオフェンスをやっていきたい」


・Cチーム戦  5-36(前半0-10)
 Cチームは前半をロースコアで折り返すが、ピッチに陽が射し始めた後半に運動量がガクンと落ちてしまう。相手のボールへの絡みも早く、やむなくペナルティを犯す場面も多くなる。それでもよく耐えていたが、接点で不利な状況は変わらず、最後の10分間だけで4トライを許した。

・Bチーム戦  0-29(前半0-17)
 この日一番ディフェンスの出来が良かったのはBチームで、帝京大も厳しいタックルに手を焼いていた。しかしオフェンス面では、ハイパントを中心に敵陣に入るまではいいものの、相手のプレッシャーからハンドリングエラーを連発した。展開の精度がいまひとつで、スピードのある選手で勝負ができなかった。



(山中克浩・経済2=記事、島崎剛大朗・商2=写真)



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