特集再始動第2回 野呂進 陸上競技部部長
選手としてアジアを制した男が、指導者として箱根を制するため戦い続ける


特集再始動②


野呂進 
専修大学教授 同大学陸上競技部元監督現部長

日本体育大学在籍時、第6回バンコク大会(アジア大会)1500m走 金メダル 3000m障害物 銀メダル 第7回テヘラン大会(アジア大会)1500m走 銀メダル 3000m障害物 6位入賞に輝く。専修大学赴任後は、コーチ、監督を経て部長として陸上部を支えている。

陸上を始めたきっかけは?
小学校の時の校内マラソンかな。とにかく走るのが好きで、割とよく走れたと思います。中学校、高校も陸上を続けました。

陸上の名門。日本体育大学に入学されましたが・・・
まぁ、自分が日本体育大学に入学しようと思ったのは、高校の教員免許を取りたかったからなんだよね(笑)。正直、陸上は二の次って感じだったかな。走るのは好きだったけれど、どうしても教員免許を取りたかったからね。

でも、アジア大会で多くのメダルを獲得されていますよね。
いやーたまたまですよ。でも、しいて言うなら、自分はラストスパートのキレがなかったから前半から前に出て逃げ切る走り方で走っていたことがよかったのかもしれないです。

アジア大会で一番心に残った事は?
バンコク大会で優勝した時のラスト100mが果てしなく長く感じたことですね。その時自分は先頭で抜け出していていたから、後ろから追われる怖さもあったから本当に長く感じました。

専修大学に赴任されましたが・・・
最初は専任講師、陸上部コーチとして赴任しました。
「専修大学を強くするぞ!!やってやるぞ!!」って気持ちでしたね。

専大の雰囲気はどうでしたか?
初めて赴任してきたときに学生が真面目!!って思いました。大学は自由なところだから学校に来ない学生もいると思うけど、専大生は毎日しっかり学校に通っていましたね。

専大陸上部に初めて来てどうでしたか?
自分は高校の教員免許をとっていたので部活動は放課後にするものだと思っていました。だから、朝早くから食事、練習をすることに最初はとても戸惑いましたね(笑)。
その時の専大は予選会からのチームだったんでやりがいがあるな!!って思いましたね。

陸上環境について・・・
当時の体育寮は、選手強化が目的の寮ではなかったから、環境はそれほど良くなかったと思います。でも私が監督をしていたときに、ここに来て(キャンパス近くに寮を移転)とても良くなったと感じます。より良い環境を提供することは大切なことだと思います。
昔の箱根駅伝は熱狂的な人だけが応援するような小さな大会だったので、現在のように全国の人々が見ている国民的大会になって今の選手はとても恵まれていると感じますね。

スポーツ報知の記事で野呂部長がケガなどに悩み、引退を考えていた木下選手(商卒・堀越高)を支えてあげたというエピソードが載っていましたが・・・
彼が高校生の時から私は彼のことを知っていて、「箱根駅伝を走りたい!!」という強い気持ちを胸に大学に来た事を聞いていたんです。だから、ここでくじけてしまうことは惜しいと思ったんです。
木下は走りにブレがなく、常に好タイムで走れる選手だ。だけど、多くのケガに苦しんでいた。そんな時に、手を差し伸べてあげるのが指導者としての役割じゃないかなと思います。

今年の専大陸上部を見て思うこと・・・
非常に楽しみにしてますね!!柱となるところをポイントポイントでしっかり押さえていけるメンバーが揃っていると思います。今大会は、私個人としてもとても面白い試合になるんじゃないかと思っています。もちろんシード権も確実に取ることができると思っています。

個人的に期待をかけている選手はいますか?

今故障している選手が立ち直ってくれることことを期待していますね。嬉野(経営4・諫早高)とか田中(商3・土浦日大高)とかね。五ヶ谷(経営4・専大松戸高)、井上(商4・報徳学園高)、五十嵐(文3・)
などの主力選手は自分自身で強くなっていけるが、故障しているメンバーは私達が声をかけてあげて、フィジカル(身体)、メンタル(心)をケアしてあげることが大切だと思います。

今年入学した新入生で期待をかけている選手はいますか?

入ってきたばかりでもすぐ信頼できる選手は星野(経済1 東京実業高)ですね。レベルもかなり高いし、走りも安定してるからどこでも走ってくれるんじゃないかなと思うね。他の新入生は20kmをどこまで走れるか。とりあえず夏が終わってみないと分からないね。でも、これからの陸上生活においてどれだけ成長できるか楽しみだね。私達も強く育てていかなきゃいけないと思います。

野呂部長のモットーとは?
克己心ですね。己に負けてはいけない。何事にも負けずに突き進んでいくことが重要だと思います。それは、陸上生活においても、大学の教授としての生活でも同じことだと思います。

野呂部長にとって箱根駅伝とは?
今までの事を考えてみるとやはり人生そのものですね。このおかげでいい人生を歩ませてもらっているし、いつもそればかり頭に置いて暮らしてきたからね。

ありがとうございました。最後に専大ファンに一言をお願いします。

今年は強いぞ!この一言に尽きますね。


(山口高弘 商2)





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