全日本大学選手権で荒木田が3年ぶりに優勝 大学対抗で2位に



 11月14、15日に大阪・堺市金岡公園体育館にて内閣総理大臣杯全日本大学選手権大会が行なわれ、120kg級で荒木田進謙(4・光星学院高)が2年連続学生4冠を狙っていた山梨学院大のボリス・ムジコフを破り、3年ぶりの優勝を果たした。
 また74kgで江藤公洋(3・福島高)、84kg級で鈴木聖二(3・岐阜工業高)が準優勝、66㎏級で佐々木渉(4・秋田商高)が7位入賞を果たし、大学対抗得点別で2位になった。

 全日本チャンピオンでありながら、学生の大会ではここ最近はムジコフにタイトルを持っていかれ、悔しい思いをしていた荒木田だが、学生最後の大会で宿命のライバルとの対決を制することができた。
 今大会ではムジコフとの対戦は準々決勝で実現することに。荒木田自身も「組み合わせ表を見た時は本当にびっくりした。心の中ではずっとドキドキしていたし、試合が終わるまではひやひやしていました」と話した通り、初戦を突破して2戦目で対戦することになるとは互いに思ってもいなかっただろう。
試合内容は両者一歩も譲らず、攻めることよりもチャンスを待ちつつ、完璧に守り通した荒木田に軍配が上がった。
 「ムジコフに勝てば優勝はいけると思ったので、あの試合にとにかく勝つことだけを考えてやりました」との言葉通り、準決勝と決勝はともにフォール勝ちを収め、圧倒的な強さを見せつけた。



▲決勝戦でフォール勝ちを収めた荒木田

 「最後の学生の大会でムジコフに勝って優勝することができて嬉しい。団体で勝つということよりも、とにかくムジコフを倒すことだけを考えていた。団体2位という結果は3年の江藤と鈴木が頑張って準優勝してくれたので、自然と結果が後からついてきた感じ。でも4年生がもっと頑張って最低でも全員が3位以上に入らなければ団体で優勝することはできないと思った。これで学生の大会は終わってしまったが、卒業後は北村先輩(現・FEG)と同じような形をとってロンドン五輪を目指して頑張っていきたいと思います。そのためにもまずは来月の天皇杯で優勝することが第一の目標です」と笑顔で今大会を振り返った。

 また今大会では専大の3年生コンビが大活躍。74kg級の江藤は準決勝で大東大の大野に対し、5-1、4-0と圧勝し、決勝戦へ駒を進めた。決勝では9月のインカレで敗れた拓大の高谷と対戦。第1ピリオドをテクニカルフォールで奪ったものの、第2・3ピリオドを奪われ逆転負けを喫した。

 試合後江藤は「インカレ同様2位という結果で悔しいが、今日は調子も良く、接戦をものに出来ている部分もあったので、確実にインカレの時よりも成長していると思う。充実した大会になりました」と話し、「来月は天皇杯があるので、それまでに自分の力を全日本のレベルに引き上げていきたいです」と前向きにコメントした。



▲相手を抑え込む江藤

 同じく3年で84kg級の鈴木は、決勝戦で早大2年の山口と対戦。今大会決勝戦ではインカレの準決勝で敗れた中大の天野との対戦が予想されていたが、天野は準決勝で山口に敗退。決勝戦では山口から第1ピリオドを先取したものの、あと一歩及ばず惜しくも準優勝に留まった。
 「決勝で戦った山口は同郷の後輩で1年前に試合をした時は勝ったので今回も勝ちたかった。これから天皇杯もあるし、来年もあるので次は絶対に勝ちにいきます」と悔しさを滲ませながら大会を振り返るのと同時に「荒木田先輩という大きな存在がいなくなってしまうので、これからは江藤と2人で練習も試合も引っ張っていかなければならないと思うので気合いを入れて頑張ります」と新体制に向けての意気込みを語った。



▲相手を狙いにかかる鈴木



▲試合後、リラックスした表情で写真撮影に応じる入賞者4人

 荒木田、江藤、鈴木は12月21日から行なわれる天皇杯全日本選手権出場が決まっている。荒木田の天皇杯2連覇に期待がかかる。



(大津智世・経営2 写真=庄司亮介・文3)




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