【野球部】秋季一・二部入替戦 強豪東洋大に2連勝で一部復帰!

 

 11月4日、神宮球場にて秋季一・二部入替戦対東洋大2回戦が行われた。専大は2-1で逆転勝利をおさめ、2007年春季以来の一部復帰。ナイン、ベンチ、スタンドの全員が歓喜した。

 先攻の専大は1番矢幡勇人(商4・相洋高)のヒット、2番市原一樹(文3・松商学園高)のバントでいきなりチャンスをつくるも先制点ならず。

 先発のマウンドには山田智弘(商3・県岐阜商高)があがるも大一番という緊張感からか、いつもの調子の良さがみられない。しかしピンチを背負いながらも2回を無失点に抑え、3回からは池田駿(商2・新潟明訓高)にマウンドを譲る。怪我で秋季リーグ途中まで戦線離脱していた池田は立ち上がりに苦しみワイルドピッチで先制点を許してしまう。しかし4回以降はランナーを出すも粘りのピッチングで相手打線を封じ込める。

 池田の好投に応えたい打線は8回、ついに目を覚ます。先頭の渡邊祥平(経済3・作陽高)がヒットで出塁すると、一死から好調の矢幡がヒットでつなぐ。矢幡の打球で渡邊が3塁まで進み、続く市原の犠牲フライで同点に追い付く。矢幡が盗塁し、二死2塁のチャンスで打席にはこの日ノーヒットの仁藤敬太(商4・常葉橘高)。ここぞという場面で主役の座を奪ってきた男がこの打席で黙っているわけがない。仁藤の打球はセンター前へ、俊足ランナーの矢幡は一気に逆転のホームを踏んだ。

 味方の逆転をうけ、8回もマウンドにあがった池田だが一死から2者連続ヒットでピンチを背負う。ここで大野亨輔(商1・星稜高)が3番手として登場。1点のリードをしっかり守り最終回の攻防へ。大野に追加点をプレゼントしたい打線だが3人で抑えられてしまう。

 9回裏、大声援の中マウンドには大野。2人目までを簡単に抑えると専大のスタンドからはこの日一番の大野コールが巻き起こる。声援を力に、最後のバッターを三振に打ち取り試合終了。マウンドには大野-中園雄一郎(経済4・筑陽学園高)バッテリーを中心に歓喜の輪ができあがった。

 試合後、3塁側スタンド前では田中洋平主将(経済4・日大三高)、秋季リーグのヒーロー仁藤の胴上げが行われた。一部復帰を決め涙ぐむ選手もいたが、最後は選手全員が今年1番の笑顔を輝かせた。

 この試合をもって大学野球を引退する4年生にとっては有終の美といえるだろう。そしてこの勝利は今日まで共に戦ってきた後輩にとって最高の置き土産となった。また、「4年生と1日でも長く試合を」と意気込んできた後輩たちは4年生を笑顔で送り出すことができた。まさにチーム全員で掴んだ神宮への切符である。

「古豪専修の復活」にむけ、厳しい冬の練習をむかえるだろう。その練習を乗り越え来春、一部リーグの舞台で新・専大野球部が躍動する姿をみせてほしい。


高橋薫監督のコメント
「素直にうれしい。いつも通り我慢の野球ができたことが勝因だった。(早めの継投について)山田は打球が当たったことは関係なく始めから2~3イニングで代えるつもりだった。(来春へむけ)まだ全然考えてない。上がるだけでは意味がないから一部で戦い続けられるようにしたい。甘いリーグではないので気を引き締めて挑みたい」

田中洋平主将
「終盤まで負けてはいたが、自分たちらしい野球をしようとしていた結果が8回の逆転劇につながった。(途中出場となったが)正直、試合に出たくてたまらなかった。最後の打席では悔いの残らないように絶対振ると決めていた。空振り三振に終わったが悔いはないです。(後輩へ)二部に落ちたらどうしよう、ではなく勝つことだけを考えて試合に臨んでほしい。(チームメートへ)このメンバーで野球ができて本当によかった。ありがとう」

矢幡勇人選手
「つなぐ気持ちが今日のヒット3本につながった。8回の盗塁はベンチからの指示。仁藤につなげれば絶対打ってくれると思った。勝てて本当によかった。この4年間、いいメンバーと出会えて野球ができて最高だった。後輩たちには、今日のように最後まで諦めない姿勢で神宮でも頑張ってほしい」

春山大介投手(経営4・桐蔭学園高)
「(一部復帰に)最高です。今日の試合でも最後は自分が投げる可能性もあったので最後のマウンドに立っていた大野は羨ましいです。後輩に残すべきものは残せたし、終わりよければ全てよし。(1番印象に残った試合は)日大とのプレーオフ完封。神宮で投げられる嬉しさと緊張感の中、我慢の投球ができたことがよかった。(後輩へ)まだ不安要素はあるが勝てるメンバーなので全国制覇してほしいです」

中園雄一郎選手
「率直に嬉しい!自分自身、ずっと打てなくて悔しさもあったが監督から『守備で貢献してくれ』と言われていたので扇の要としてできることは最大限やったつもりです。今日は(自身の)ミスが多かったが内野にいる仁藤や洋平(=田中主将)、ベンチからは植田(一気選手)の声が聞こえて力になった。神宮ではスタンドの声援がいつも以上に大きかったが仲間の声は常に届いていました。(チームメートへ)4年間いろいろなことがあったがいい締めくくりができてよかった。最後にはみんなで泣ける、いい仲間に出会えた。本当にありがとう」

仁藤敬太選手
「序盤、チャンスで打てなくて苦しい展開だったが(投手陣が)1点に抑えてくれていたので最後の打席では『自分が決めてやる』という気持ちしかなかった。HRというよりはランナーの矢幡は足が速いのでセンター返しを狙っていた。思った通りに打てました。(調子のよさは)ベンチ外の仲間の分まで頑張ろう、という気持ちが大きかった。自分だけの力ではなくみんなの力」

植田一気選手(商4・東北高)
「有終の美を飾れてよかった。4年間、苦労しかなかったので最後にいい結果が出て嬉しい。(プレーオフ以降)出番はなかったが声を出してチームを支えようとしていた。自分たちの背中をみて育った後輩たちには一部の舞台で今まで以上の結果が残せるよう頑張ってほしい」

大久保泰成選手(商4・東亜学園高)
「9月に骨折してリーグ戦には出れなかったが、入れ替え戦には間に合った。学生野球の最後の舞台で打席に立たせてもらえてうれしかった。悔しい思いの方が多かったので社会人野球で晴らしたい」

山田智弘投手
「今日勝てば一部に行けるということで気合いは入っていましたが、体調と仕上がりを万全にすることができませんでした。でも、先輩達のおかげで試合には勝つことができたので本当に安心しています。(2回のアクシデントについて)特に問題はなかったです。自分としてはまだ行きたいという気持ちがありました。(来春にむけ)自分に足りないものが何か明確なのでそこを鍛えていきたい。来年はこのチーム以上のチームを作っていきたいです」

河合優介選手(商3・明徳義塾高)
「試合前は”今日で決める”という気持ちで臨んだ。今年は本当にいいチームで野球をすることが楽しかった。4年次生がくれた舞台で、今度は一部での優勝に向けてしっかりやっていきたい」

内山翔平選手(経営3・日大三高)
「全員の勝ちたいという気持ちがこの結果につながった。(2回のヘッドスライディングについて)全力プレーが武器なので仮にアウトになったとしても自分の姿でチームを鼓舞したかった。(4年生へ)大学に入ってほとんどのことを教えてもらった代なので感謝の気持ちでいっぱいです。最高の形で送り出すことができてよかった。(来春へむけ)一部ということは、明治神宮大会など日本一を目指せる舞台。高い目標をもっていいチームにしていきたい」

渡邊祥平選手
「1番に、嬉しい。来年神宮で試合ができることを4年生に感謝したいです。(8回の打席について)先頭打者だったから出塁することを考えていた。昨日の試合とは気合が全然違っていて4年生と一緒に勝ちたい、という一心だった。優勝も、一部復帰も4年生がいなければ成し遂げられなかったことだしこの恩は来春、神宮で優勝という形で返します」

市原一樹選手
「8回の犠飛はアウトコース高めのまっすぐを打った。芯に当たって飛んでくれたので点が入った時はほっとした。今のチームで苦労しながらも頑張ってきたことの積み重ねが結果に出た。今シーズンは4年生をいい形で送り出してあげたい、というなかで個人的にもいい結果が出た。来季は一部で優勝、日本一をとるくらいの勢いで頑張っていきたい」

池田駿選手
「最初マウンドにあがった時にかたくなってしまいコントロールが定まらずにファーボールとワイルドピッチで悪い流れとなってしまったが、次の回からは徐々に自分のペースで投げられたので良いピッチングができた。(来季に向けては)神宮球場で野球ができることは幸せな事だと思う。その幸せを感じつつ、来シーズン中心となる山田さんと大野を中心に投手陣がチームを引っぱっていけるよう頑張りたい」

荒木翔平選手(経営2・横浜高)
「今日で決めたいと思って試合に臨んだ。2回でのピンチでは1点もやれないと思ったタッチアップを阻止できてよかった。今年1年、チームのムードもいいし、調子もよかった。入れ替え戦も勝つことができて本当によかった。来季は残留とかではなく、優勝するという強い気持ちでやっていきたい」

大野亨輔投手
「1部昇格を目標としていたので、うれしい気持ちとほっとした気持ちがあります。ピッチャーが不安な顔をすると野手にも伝わるので、ピンチのときこそ冷静に投げることを心がけていました。4年生がいい置き土産をしてくれたので、冬に自分を追い込んで来季に臨みたいです」

三浦拓馬選手(商1・札幌第一高)
「自分の仕事をしっかりすることと、先輩たちに迷惑をかけないようにプレーすることを心がけていた。今年1年戦ってきて、ミスが多いことと体が小さいことを改善したいと思った。来季は一部で優勝して神宮大会に出ることを目標に頑張りたい」

*写真はこちらから→入れ替え戦写真集

(鈴木 詩織・文2)







すべての著作権は専大スポーツ編集部に帰属します。
ホームページ内に掲載の記事・写真・その他全てのコンテンツの無断転載・利用を禁じます。


inserted by FC2 system