関東リーグ第6戦 エースの活躍で今季初勝利



 勝ち星なしの勝ち点3、最下位でリーグ前半戦を折り返した専大だが、11月1日に行われた大東文化大学戦では攻撃陣が奮起し、ようやく初勝利を手にした。中でもここまでノーゴールのエース前田健一(3・東北高)が、持ち前のスピードを生かして2ゴールと気を吐いた。

得点パターンが確立された第5戦

 10月24日に行われた大東大との初戦(第5戦)は4-4の引き分け。内容が悪く、2点のビハインドをなんとか追いついての勝ち点1は、大東大と相性のいい専大にとっては痛手だった。しかしこの試合で、続く第6戦の勝利につながる布石が打たれていた。

 専大は第3戦あたりから、ゴール中央のミドルレンジから執拗にシュートを放っていた。「一番入る確率の高い位置でシュートを打てるように」と、平野翔太主将(4・八工大一高)はよく口にしている。ただ、ディビジョンⅠのゴーリーはそう簡単に打ち破れない。さらにコースを消そうと、前方からディフェンスも一気にプレッシャーをかけてくる。シュートを打ってもどこかで引っかかる。こぼれ球を相手に拾われでもしたらカウンターの餌食にもなりやすい。「どれだけ打っても単発になってしまう」、これも平野翔からよく聞かれる弁だ。

 しかし、第5戦ではこのパターンから2得点した。ミドルからのシュートがきれいに吸いこまれたわけではなく、リバウンドを泥臭く押し込んでのものだった。「リバウンドに詰めれば得点できる。以前よりは自分たちの得点パターンがはっきりしてきた」。チームの狙いがようやく実を結んだ瞬間だった。


▲FW小林和倫(4・軽井沢高)

悪い流れを断ち切った前田のビッグプレー

 1週間空いて行われた大東大との第2戦(第6戦)。後がない専大は序盤から前がかりな姿勢を見せ、開始5分、坂本慶之介(2・水戸短大附属高)が放ったシュートのリバウンドを平野翔が押し込み先制する。前回の大東大戦でハマったパターンからいきなりゴールを決め、さらに第1ピリオドの得点は今リーグ初めて。これで勢いづかないと嘘だが、いつものように動きがトーンダウンし、1ピリ終盤は大東大に押し込まれてしまった。

 2ピリ序盤も大東大の時間が続いたが、ひとつのプレーが流れを専大に呼び込むことになる。7分、ショートカウンターから対馬祥之(2・北海高)がサイドで溜めをつくり、ディフェンス2人に挟まれながら突進する前田へ絶妙のパス。前田は圧巻のスピードで相手を置き去りにし、ブレークアウェイからチップ気味にゴール左上に流し込んだ。悪い流れの中で挙げた貴重な追加点に、前田はもちろんチーム全体が活気を取り戻した。ここ一番でエースが魅せた、まさにビッグプレーだった。

 1分後には照井歩(2・清水高)が至近距離からの絶好機を外すが、それを自らリカバーし、中央に詰めていた斎藤陸(1・北海高)にラストパス。ゴーリーに当たって勢いのないシュートはわずかにゴールラインを越え、これが相手の戦意を喪失させた。ぶ厚い攻めからその後も立て続けにゴールを決め、リーグ後半の初戦を大勝で締めた。

 攻撃陣の爆発は好材料だが、入れ替え戦出場はいまだ厳しい状況。次の日体大戦を落とせば、上位争いから大きく後退する。「日体大とは戦力差はないと思う。今日みたいな攻めができれば、どこが相手でもいい勝負ができる」。チームに確かな手応えを感じた主将の語気も上がった。


《試合経過》
1stperiod(1-0)
5:20(S)#8平野翔(assist#17坂本慶) GOAL!!  1-0
2ndperiod(4-0)
7:34(S)#34前田(assist#79対馬) GOAL!!  2-0
8:24(S)#23斎藤(assist#7照井) GOAL!!  3-0
11:11(S)#7照井(assist#23斎藤) GOAL!!  4-0

16:19(S)#34前田 GOAL!!  5-0
3rdperiod(2-2)
9:58(S)#12大椋 GOAL!!  6-0
10:31(D)#39(assist#21) GOAL!!  6-1
11:19(D)#47(assist#15) GOAL!!  6-2
16:04(S)#7照井(assist#12大椋) GOAL!!  7-2

《試合日程》
11/7 vs 日本体育大学 @千葉 16:15~
11/8 vs 東海大学 @東伏見 17:00~



(山中克浩・経済2)



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